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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第2回

トランプと日付の意外な関係~“数字”と記憶について考える

2012年10月12日 09時00分更新

文● 前田知洋

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トランプを使って、乱数を作る仕組み

 下に紹介する暗証番号の生育法と記録法は、以前、筆者が使っていたもの。ただし、絶対の安全性を保証するものではないので、利用する場合は自己責任で使用するか、独自の方法を考案して欲しい。

 ソフトウエアや乱数表を使わなくても、トランプを使って乱数に近い数列を作ることができる。トランプをよくシャッフル(切り混ぜ)したら、裏向きのまま好きな4枚を抜き出し、それを並べてみる。もし「2222」や「A(1)234」などの連番であったり、電話番号や住所の番地など、自分の個人情報に関連する組み合わせであれば、もう一度やり直す。どれにも当てはまらない、ランダムな数字ができれば、それを暗証番号にする。

 その数字はメモにとらずに暗記して、引き出しや金庫に入れておいてもいい。しかし、筆者の場合はデジカメで撮影して携帯電話に保存していた。たとえば、下の2枚は暗証番号を記録した写真。それぞれの数列がわかるだろうか?

【猫の写真】この中に秘密が隠されているって、すぐに気付きますか?

【トランプが帯状になっている写真】撮影者は何を伝えたいと思っているでしょうか?

 ネコの写真は、ちょっとわかりにくいと思うので、ネコの後ろにあるリトグラフの接写をヒントとして載せておく。

猫の写真の後ろにあったリトグラフの接写

 答えは猫の写真が「1213(Q=12、K=13)」、トランプが帯状になっている写真は、中央のジョーカーからの数列「9345」が暗証番号だ。もちろん、これらの写真は、他の写真と混ぜておき、暗証番号を暗記してしまえば携帯電話からは消去する、頻繁に暗証番号を変更する。そうすれば、安全性はさらに向上する。

 秘密保持の秘訣は、暗号をどこに隠したかを第三者にわからないようにすること。繰り返し申し添えるけれど、上で解説した記録方法の利用は自己責任で。筆者が安全性を保証するものではありません。

 これを読まれた皆さまもご自分自身の育成方法や記録方法などを考案して、安全なセキュリティーライフをどうぞ。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす魔法のことば』(日本実業社出版)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。現在、(株)ビジスパからメルマガ「Magical Branding-セルフブランド活用法-」を配信中。

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