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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第2回

トランプと日付の意外な関係~“数字”と記憶について考える

2012年10月12日 09時00分更新

文● 前田知洋

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イカサマをされにくい数

 歴史の中でトランプの数字を10といった切りのよい数字ではなく、13のままにしていたのは、ギャンブルなどのカードゲームの影響があったといわれている。ポーカーやブリッジ、ブラック・ジャックも絵札(11~13、J~K)が含まれることにより、ゲームの複雑性が増す。

ブラックジャックの有名な必勝法に「カードカウンティング」と呼ばれるものがある。これは、ゲームに使われたカードの種類を記憶し、プレーヤーに有利な確率を計算して掛け金を決める方法だ。

 J~Kが含まれることによって、記憶と計算をより難しいものにしている。因みに、この「カードカウンティング」は、掛け金の増減が特徴的になることから、プレーヤーの頭の中だけで行われていたとしても「イカサマ」扱いになり、(ラスベガスのある)アメリカのネバダ州ではカジノから出入り禁止になる。

推測されやすい数字、覚えやすい数字

 先日、財布を置き忘れ、キャッシュカードから預金を引き出された事件がニュース記事になった。被害者は、暗証番号を生年月日にしていたため、犯人は一度のミスもせず暗証番号を入力したらしい。

 銀行やクレジットカード会社でも、生年月日や住所の番地、電話番号、1234や2222などの連番を避けるように指導しているためか、ネット上を検索しても「暗証番号をどんなふうに決めたらわからない」といった質問も見かける。

 なかには、学校の卒業年と出席番号の組み合わせにしていたが、同窓があつまるSNSグループに入っていたことから、暗証番号を推測されてしまったケースもあるそうだ。

 安全なのは、ランダムに暗証番号を生育するソフトウエアを使う、乱数表(ランダムな数字が並べて書かれている表)を使う、毎月暗証番号を変える、などの方法だとされている。しかし、誰かが作ったソフトを使うことに不安が残ったり、結局はどこかにメモ書きする必要があったり、乱数表の場合は、それを紛失してしまうリスクなど、一長一短がある。

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