インテルCPU進化論もようやく、現行製品である「Sandy Bridge」「Ivy Bridge」の世代にたどり着いた。最新という意味ではIvy Bridgeになるが、Ivy BridgeはCore i7/i5といったハイパフォーマンス~メインストリーム向けが先行した一方で、バリュー向けのCore i3/PentiumはやっとIvy Bridge世代の製品が発表されたばかり。CeleronやウルトラハイエンドであるCore i7 Extremeに関しては、引き続きSandy Bridgeが利用されている状態である。
しかもSandy BridgeとIvy Bridgeでは、基本的にマイクロアーキテクチャーに差がない。一番大きな違いは製造プロセスとグラフィック周りで、CPU側は若干の修正とか改善程度なので、合わせて現行アーキテクチャーと称してしまって差し支えないだろう。
大きな変化はないが細かく変わっている
Sandy Bridgeの内部構造
Sandy Bridge世代のCPUコアの、Nehalem世代からの変更は以下の要素が主となる。順不同になるが、これらについて説明しよう。
- AVX命令の搭載
- これにともなう1次キャッシュとの帯域の256bit化
- Load/Storeユニットの強化
- Decoded μOp Cacheの搭載と、分岐予測ユニットの再設計
- Physical Register Fileの搭載
- Zeroing Idiomsの搭載
下の画像は、IDF Fall 2010で公開されたSandy Bridgeのラフな内部構造図である。Nehalemから構造はそれほど変わっていないとはいえ、変更箇所は少なくない。パイプライン段数そのものは16段を継承するが、後述する「μOp cache」アクセスのケースでは、瞬間的ながら18段になるようだ。
この連載の記事
-
第768回
PC
AIアクセラレーター「Gaudi 3」の性能は前世代の2~4倍 インテル CPUロードマップ -
第767回
PC
Lunar LakeはWindows 12の要件である40TOPSを超えるNPU性能 インテル CPUロードマップ -
第766回
デジタル
Instinct MI300のI/OダイはXCDとCCDのどちらにも搭載できる驚きの構造 AMD GPUロードマップ -
第765回
PC
GB200 Grace Blackwell SuperchipのTDPは1200W NVIDIA GPUロードマップ -
第764回
PC
B100は1ダイあたりの性能がH100を下回るがAI性能はH100の5倍 NVIDIA GPUロードマップ -
第763回
PC
FDD/HDDをつなぐため急速に普及したSASI 消え去ったI/F史 -
第762回
PC
測定器やFDDなどどんな機器も接続できたGPIB 消え去ったI/F史 -
第761回
PC
Intel 14Aの量産は2年遅れの2028年? 半導体生産2位を目指すインテル インテル CPUロードマップ -
第760回
PC
14nmを再構築したIntel 12が2027年に登場すればおもしろいことになりそう インテル CPUロードマップ -
第759回
PC
プリンター接続で業界標準になったセントロニクスI/F 消え去ったI/F史 -
第758回
PC
モデムをつなぐのに必要だったRS-232-CというシリアルI/F 消え去ったI/F史 - この連載の一覧へ