このページの本文へ

価格大暴落!!  今買わずして、いつ買う激安SSD

お買い得?! 1万円アンダーで買える激安SSDの性能を徹底チェック

2012年08月11日 12時00分更新

文● 藤田 忠

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

激安SSDオススメの使い方は
HDDキャッシュとしての利用だ!

 安価だがユーザーデータの保存に不安のある容量64GBモデルは、HDDを高速化するSSDキャッシュソリューションのSRTで使うのがベストと言える。これはSSDをHDDのキャッシュ専用デバイスにすることで、頻繁にアクセスするファイルを高速に読み込めるようにするもの。Intel Z68とIntel 7シリーズのチップセットを搭載したマザーボードで使用できる。
 キャッシュソリューションは、その仕組み上、どうしても頻繁にアクセスするファイルのリード時にしか効果を発揮しないが、使用容量が増える毎に速度が低下するHDDのリード性能が、容量に関係なく高速化できるのはグッドだ。また、SRTの構築と無効化は簡単で、レジストリーを手動で変更すればWindows 7の再インストールも不要だ。

SSDをHDDのキャッシュとして利用する「Intel Smart Response Technology」

 今回は、そんなSRTの簡単構築手順も紹介しておこう。まずは、Windows 7のスタートメニューにある検索ボックスに「Regedit」と入力して、表示されるツールを起動。起動したレジストリエディターの「HKEY_LOCAL_MACHINE」配下の「System」→「CurrentControlSet」→「Services」→「iaStorV」と開いて行き、「iaStorV」の「Start」項目の値を「0」に変更。

値の編集で「Start」のDWORD値を「0」に変更

 変更箇所に間違いがないか再確認したら、設定を保存。再起動したら、マザーボードのUEFI(BIOS)で、Serial ATAの動作モードを「RAID」に変更して保存。あとは、最新の「Intel Rapid Storage technology(インテル ・ラピッド・ストレージ・テクノロジー)」(以下IRST)ドライバーをインストールしてツールからSRTを有効にすれば構築は完了となる。
 Windowsやアプリケーションの設定情報になるレジストリー。間違った箇所を変更してしまうと起動不能状態になるので、保存前に必ず設定に間違いがないか再確認を行なおう。

「高速の有効」をクリックして、キャッシュ容量や高速化するHDDを選択

Intel SRTの実力をチェック

 Crucial「CT064M4SSD2」とIntel「SSDSC2CT060A3K5」で、SRTを構築して、その性能を測ってみよう。計測は「CrystalDiskMark 3.0.1」に加えて、電源オンからスタートアップに登録したアプリケーションの起動完了までの時間。さらに、約3GBのZIPファイルを解凍した際に要した時間を実測する。
 SRTの動作モードはデフォルトの「拡張モード」に加えて、ライト時もSSDにキャッシュされるライトキャッシュバックが有効となる「最速モード」の両方で行なった。「最速モード」ではライト性能も向上するが、HDDへの書き込み前にPCがフリーズしたり、電源断したりするとデータが破損してしまう危険もあるのを覚えておいて欲しい。

Crucial「CT064M4SSD2」+Seagate「ST2000DM001」

「拡張モード」の計測結果

「最速モード」の計測結果

Intel「SSDSC2CT060A3K5」+Seagate「ST2000DM001」

「拡張モード」の計測結果

「最速モード」の計測結果

リード速度の性能が大幅アップ

 単体時と同じアクセス速度とはいかないが、十分高速なアクセス性能を出している。とくにNCQによるランダムアクセスの性能向上率は劇的。また、最速モード時はライトキャッシュバックの効果で「4K」、「4KQD32」の値が大きく向上している。PCの安定動作が必須になるが、SRTは最速モードで使うのがグッドだ。

起動に時間がかかるOSやアプリの
起動時間が大幅に短くなった!

 続けて、OS+アプリケーションの起動と約3GBのZIPファイルの解凍時間をストップウォッチで計測しよう。アプリケーションは、Adobe「Reader X」と「Photoshop Elements 10」、「Windows Media Player」の3つをスタートアップに登録。OSと同時に起動処理を行なうようにしたが、高速なシーケンシャル/ランダムリード速度向上の効果は絶大で、両製品ともにHDD単体時と比べて30秒前後も高速化した。起動時に各種プラグインを読み込む必要のある「Photoshop Elements 10」もサッと起動するのは感動ものだ。

Windows 7とアプリ3種の起動時間(単位:秒) ←Fast

 次にZIPファイルの解凍を実行したが、今回の組み合わせでは、シーケンシャルライト速度がHDDより遅くなってしまうため、HDD単体時より処理に時間がかかっている。ライト速度の遅いHDDと組み合わせた場合は、高速化するが最新HDDとの組み合わせでは、逆に遅くなることがある。また、SSDにキャッシュされる前の1回目の実行時は、両製品とも解凍に2分近くを要した。SSDキャッシュの仕組み上、やむをえないがすべての動作や作業が高速化するとは限らない点は覚えておこう。

約3GBのZIPファイルにおける解凍時間(単位:秒) ←Fast

 Crucial「CT064M4SSD2」とIntel「SSDSC2CT060A3K5」の単体性能には結構な差があるが、今回試した実作業のベンチマークでは両製品に差はほとんど出ていない。作業次第ではあるので断言はできないが、両製品で体感速度に違いは感じられなかった。イチオシはシーケンシャルや「4K32QD」の値が高速なCrucial「CT064M4SSD2」だが、「SSD Toolbox」による高いメンテナンス性を持っているIntel「SSDSC2CT060A3K5」を選ぶのもアリだろう。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中