このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

遠藤諭が聞く、激動の時代を生き抜く日本エイサーの戦略

電子レンジ=タブレット、OSはコンテンツショップ?

2012年07月18日 11時00分更新

文● 広田稔、語り●砂流恵介、遠藤諭、写真●小林 伸

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

台湾エイサーは2011年、世界におけるPC出荷台数で4位を誇る超大手。その日本法人である日本エイサーに、PCやタブレットの来し方行く末について話を聞いた

 ここ数年で、PC、スマートフォン、タブレット、携帯ゲーム、テレビといった、ディスプレーを備えた製品の用途が重なるようになってきた。昭和の時代ではお茶の間にひとつだったディスプレーも、最近では一人で3、4つ所有するマルチデバイスが当たり前。ハードだけでなく、ソフトの置かれる状況も大きく変化しており、OSではPC向けとモバイル向けが融合する動きもある。コンテンツも今や放送やパッケージではなく、ネット経由で視聴したり、買ったりするのが普通になっている。

今年頭のCES 2012で公開された、次世代ICONIA TAB。フルHDディスプレーを搭載した10.1型タブレット

 そんなハード、ソフト、コンテンツが大きく動くこの時代において、PCメーカーはどんな立ち位置を狙っているのだろうか。日本エイサーの砂流恵介さんに、アスキー総研・遠藤諭が話を聞いた。


2012年は「タブレットの年」

遠藤 今、エイサーさんの一番得意な分野はどこですか?

砂流 製品で見ると、一番の強みはモバイルノートですね。過去には、ネットブックの「Aspire one」やCULVの「Aspire Timeline AS1410」などをリリースしてご好評を頂いてきました。7月には13インチのウルトラブック「Aspire S5」を発売します。

Aspire one

 ものづくりでいうと、弊社が最も得意なのは、先進的な概念をマスに広めるという分野です。例えば、タブレットではアップルさんが新しいライフスタイルを提案してマーケットを作って、そこに新しもの好きな層が飛びつきました。そのマーケットをさらにマスに広めるというのがエイサーのやるべきこと。昨年7月に発売したAndroidタブレット「ICONIA TAB A500」もそうした位置づけです。

Aspire S5

遠藤 世界的に見ると今年はタブレットが来る年ですよね。米IDCは、2012年のタブレット出荷台数が1億610万台になると予測している。これって、実は2001年におけるPCの出荷台数と同じぐらいなんですよ。一方でPCが伸びてないかといえば、全然そんなことはなくて、10年前の1億台から3億5000万台に増えている。

Surface

 でも、モバイルノートもスマートフォンも、実は超低消費電力の石をどう使うかという発想から生まれている。同じ時期に出てきたUMPCとiPhoneは、実は異母兄弟なのかもしれない。ともあれ、今年はやっぱりタブレットの年。マイクロソフトもWindows 8の発表会で「Surface」を発表した。国内市場はそこまで動いてないけど、世界的には大きな変革が来ています。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン