セッティングは想像以上に四苦八苦
今回、スクリーンサイズやプロジェクター配置の問題で投射サイズは150インチ弱となった。一画面当たりでいうと75インチくらいだから、かなり小さめだ。
そうは言っても、4K2Kの高解像度で約150インチだから、画面はやたらと精細。2m弱の投射位置からでも余裕でデスクトップのフォントを読める。ホームシアター的な視聴距離でありながら、ウェブサーフィンやメールなども快適にこなせる。4K2Kの大画面は、AV鑑賞とPCワークを両立できる。これは大きな発見だった。
もちろん、ゲームはド迫力。フルHD解像度の画面をプロジェクター投射したのとは、画面の密度感が明らかに違ってくる。細かなディテールやテクスチャーの再現がよく見える。デスクトップモニターとして55V型の4K2Kテレビを使用するというのもインパクトがあったが、150インチの4K2Kは迫力が段違いだ。
もしも、これを実現できる広い家をお持ちの人がいて、同じことを実際にやってみようという人のために、多少なりともアドバイスをさせていただこう。
まず、4面をきちんとシームレスにつなげるのはかなり大変だということ。プロジェクターはスクリーンとプロジェクターを完璧に正対させないと画面の形が歪んでしまう。これらを補正する機能も備えているが、基本は設置で可能な限り追い込み、補正機能はあくまで補助とする。
レンズシフトもなるべく使わない方がいい。特にレンズシフト機能は、投射レンズの中央付近ではなく、歪みの出やすい周辺部を使用することになるため、色収差をはじめとして画質に影響が出るためだ。
次にプロジェクターは同じものを4台揃えた方がいい。プロジェクターもメーカーやモデルによって画質傾向が異なるので、4面を並べてみると明るさやコントラスト感、色再現の違いがはっきりと現れてしまう。異なるプロジェクターを使って画質差を補正するのはほぼ無理だと思った方がいいだろう。
なお、プロジェクターは投射のための光源として高圧水銀ランプなどを使うが、経年変化によって明るさが落ちていく。ということは、ランプの使用時間なども4台できちんと同じになるように管理しないといけない。などなど、4台をパラレルで使用する面倒もある。
最後は、熱いこと。プロジェクターの動作音は最新モデルではずいぶん静かになっており、思ったよりもうるさくなかった。しかし、ランプが発する熱による室内の温度上昇がハンパではなく、滝のような汗を流しながら設置作業するはめになった。
チャレンジとしては面白かったが、実際にプロジェクター4台による4K2K(60p)を実現するのはいろいろと困難なことが多いと言わざるを得ない。
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