今回試用するのは、東芝の新タブレット「REGZA Tablet AT570」(以下AT570)だ。2012年1月に開かれた「CES 2012」で存在を公表したものだが、今夏、同社は4機種6モデルのタブレットをラインナップしており、AT570もその中の1モデルとなる(関連記事)。
同社製品としてはもっとも小型軽量で、持ち歩きに適した製品でもあるので、本連載でその実力をチェックしてみることにした。東芝が「次なる成長源泉」として期待するタブレットは、どのくらいの完成度になっているのだろうか?
ソフトウエアチューニングが生きている!
画質・音質ともに良好
AT570の最大の特徴は、7.7インチの有機ELディスプレー(1280×800ドット、アスペクト比16:10)にある。サイズ的にも商品ポジション的にも、このディスプレーありきで作られたタブレット、といってもいいだろう。
率直に言って、画質は「さすが」の一言だ。有機ELらしい、強いコントラストとはっきりとした発色が特徴である。液晶パネルとは一線を画したものになっている。発色の良さは美点であり、動画や写真表示に利用した時のクオリティーは、かなり魅力的だ。他方、白を中心に色が少々どきつくなりすぎる、非常に明るい屋外などでは見づらく感じる、という有機ELの弱点もそのままではある。
東芝のREGZA Tabletには、画質を動画向けに調整する機能「レゾリューションプラス」(試作機ではVideo Enhancement)が用意されている。この機能の効果も大きく、発色・解像感ともに、機能オフ時とは大きく違った印象を受けるようになるはずだ。また、文字などに対する副作用は見受けられないので、通常利用時はオンのままで良さそうだ。
当然、これらの特性を生かすなら、動画系コンテンツが有効だ。同社のテレビやレコーダーと連携する「レグザAppsコネクト」シリーズのアプリは、最初からインストールされていて、利用者にはプラスだろう。そこまで条件が整っていない場合でも、YouTubeやカムコーダーで撮影した動画などでも、もちろん有機ELの良さは感じられる。テストした時点では、ビデオオンデマンドサービス「Hulu」向けクライアントがまだ未対応で試せなかったが、ああいうサービスは特に向いているだろう。
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