「iPhone 4S」と新「iPad」間のファイル転送が大幅スピードアップ
Bluetooth 4.0+HSの採用で近距離無線通信が高速化されるといわれたところで具体的な数字がなければピンとこない。そこで、Bluetooth 4.0+HSに対応したiPhone 4Sと新iPad、およびBluetooth 4.0+HS非対応のiPhone 4を利用し、写真の転送にどれほど時間がかかるか測定してみることにした。
テスト内容は、それぞれのデバイスにBluetoothデータ転送アプリ「PhotoShare」を用意し、同じ写真を送受信するというもの。写真のファイルサイズは約3.79MB、デジタルカメラで撮影した一般的なものだ。
その結果は、表に示すとおり。Bluetooth 4.0+HS、正確にはBluetooth 3.0+HSの高速性により、iPhone 4Sと新iPad間のデータ転送は10秒と、iPhone 4と4S/新iPad間の40〜44秒に対し約4分の1というスピードを達成している。
表1:JPEGファイル(約3.79MB)の転送テスト | |||
---|---|---|---|
送信/受信 | 新iPad | iPhone 4S | iPhone 4 |
新iPad | ― | 10秒 | 43秒 |
iPhone 4S | 10秒 | ― | 40秒 |
iPhone 4 | 44秒 | 41秒 | ― |
当然、使用感はBluetooth 4.0+HSのほうが断然上だ。10秒とはいうものの、送信を開始するやいなやプログレスバーがかなりの勢いで進んでいく。一瞬では完了しないが、待たされる印象は薄い。iOSの仕様により、同じアプリ間でなければファイル転送は行なえないが、この高速性なら解像度が高い写真もストレスなく扱える。
Bluetooth 4.0+HSは、最大560Mbpsという高速性を誇るTransferJetに比べれば見劣りするものの、Wi-Fi並みの速度でファイルを送受信できる。このテストでは測定できないが、Bluetooth 4.0対応デバイスとの間ではバッテリーの減りを気にすることなく通信できるメリットもある。そして最近急激にBluetooth 4.0対応デバイスが増えたことからもうかがえるように、チップのコストも低下している。少なくともiOS 5.xの現時点において、Bluetooth 4.0+HSが「現実解」として妥当であることは確かだろう。
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