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最新セキュリティソフトでPCを堅守! 第2回

「ノートン インターネット セキュリティ 2012」を徹底解剖

ネットの脅威から“たいせつなもの”を守る・後編

2011年11月21日 16時00分更新

文● 宇野貴教

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セキュリティソフトは「軽さ」が重要

 前項で紹介した各種保護機能は、セキュリティ対策ソフトの中でも守りの「強さ」を司るものだ。NIS2012の「強さ」はかなりの充実度で信頼できるものと言えるだろう。ただ、セキュリティ対策ソフトは「強さ」だけでなく「軽さ」も求められる。堅牢な守備力があっても、その代わりにパソコンが目に見えて遅くなるようでは話にならないからだ。NIS2012の「軽さ」はどうか?

 テスト環境として、いまどきのパソコンとしてはかなり遅い部類に入る筆者所有のネットブックを用いて、インストールの前後でWindows 7の総合ベンチマークテスト「PCMark Vantage」のスコアがどれだけ変化するかを見てみた。テストしたネットブックのスペックは、CPUがIntelのATOM Z530(1.6GHz)、メモリー1GBと、最近のパソコンと見比べるとかなり遅いものだが、筆者は原稿執筆のために現役で使っている。

NIS2012のインストール前後のPCMark Vantageの結果

 スコアを見比べると、「Gaming」と「Communications」の2項目で多少差が現われ、それ以外の項目は誤差または若干のスコア低下にとどまっている。Gamingではグラフィックデータの解凍作業、CommunicationsはWindows Mailのコピーが行なわれており、これらの動作の際にNIS2012でファイルの安全性チェックが行なわれたためと思われる。

 それでもスコアの低下は10~15%ほど。CPUパワーの非力なパソコンでこの程度の数値なのだから、最近の一般的なパソコンであれば、インストール前後で差はほとんど気にならないレベルだろう。特に動画や音楽の作成・再生、アプリケーションの起動・読み込み、Webページのレンダリングが行なわれている項目ではほとんど差がないことから、一般的な操作時にNIS2012がパソコンの足を引っ張る心配はほとんどないことがわかる。

インストール前(左)と後(右)でメモリー使用量の変化を比較。常駐プログラム、サービス、ガジェットが追加されるため、メモリー使用量が約80MBほど増えているのがわかる。ちなみにCPU使用率は5~7%ほどで変わらない

 「軽さ」は動作がもたつかないこと以外にも、メモリー占有量が少ないことも重要だ。条件をなるべく等しくするため、Windows起動直後のメモリー使用量をインストール前後で比較すると、インストール後のほうが約80MB多い。搭載メモリが1GB以下のWindows XP世代のパソコンではやや圧迫するかもしれないが、いまどきのメモリー2GB以上を搭載したパソコンであれば気にする必要のない数値だ。NIS2012はメモリー使用量的にも軽めと言える。

NIS2012により監視のためのサービスが追加されるが、これはメモリを11MB前後使用するようだ

使っていない時を狙ってスキャン
「快適さ」を重視した設計

 セキュリティソフトはパソコン内のファイルを定期的にスキャンすることも重要なポイントだが、この作業中はどうしてもパソコンの動作が重くなるため「快適さ」が損なわれてしまう。なるべく仕事などで使う時間帯を避けてスケジュール設定しても、予定外にパソコンを使っているときにスキャンが始まると不満を感じるモノだ。

 NIS2012は定時スキャンがパソコンの快適さを損なわないよう、パソコンを触っていない時間を自動検知してスキャンするようになっている。スキャン中にパソコン操作を再開するとスキャンは中断するので、作業時に重いと感じることはない。

 たとえば食事や入浴などでパソコンを数分~数十分放置することは日常的にあること。こうした時間を有効活用して、セキュリティソフトでいちばん面倒なスキャンが「いつの間にか終わっている」というのはかなりの快適さだ。



 このようにNIS2012は「強い」「軽い」「待たせない」の3つのポイントをクリアしたセキュリティソフトである。日々進化する脅威を防ぐため、ウイルスだけでなくFacebookといったネットのトレンドにもいち早く対応するなど、着実な進化を遂げている。未知の脅威に対抗するためにも、NIS2012でパソコンをがっちりと保護したい。


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