(C)2011 ビックウエスト/劇場版マクロスF製作委員会 (C)2011 NBGI
お父さんのミニ書斎から1人暮らしのワンルームまで
映像体験をワンランクアップさせる安価な選択肢
地デジ化に伴う薄型テレビの買い換えはほぼ完了したが、意外にも「ブラウン管テレビから買い換えたら、テレビの音が聴きにくくなった」と感じている人が少なくない。
良質な音を再生するためのスピーカーは、ある程度の容積が必要だ。どんどん薄型化されるテレビにそんなスペースはなく、テレビの音質は必要最小限になってしまっている。
音の力で、映像の魅力が倍加するのは、今回視聴した『劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~』の実例を示すまでもない。クライマックスシーンでは、シェリルとランカのふたりの歌声がアルトに力を与え、戦場にいる者にまで影響を及ぼす。そして激しい戦闘とリンクするように、ライブステージの興奮も高まっていく。
こうした演出、映像と音との相乗効果が失われてしまったら、作品が本来持っている、良質なライブ映像を見たときのような高揚感は感じられない。
本格的な5.1chサラウンドは、よほどこだわった人でないと導入は難しいだろう。しかし、「YHT-S351」のようなミニマムなシステムならば、より多くの人がサラウンドの魅力を自宅で楽しめるようになるはず。それどころか、個人用の小さなスペースや、一人暮らしのワンルームでも実現できるのだ。
YHT-S351×マクロスFで、音の「力」を思い知った
こうした安価なシステムは、価格が最優先になりがちで、音の点だけでなく見た目でも少々物足りなさを感じてしまうことが少なくない。しかし、「YHT-S351」の場合、外観も十分な出来だし、なによりスピーカースタンドやインシュレーターの装備など、音への気配りがしっかりしていることに感心する。
これは前機種の「YHT-S350」でも感じたことなのだが、センターユニットに内蔵されたサブウーファーの出来もいい。サブウーファーが発する低音はけっこうなもので、ユニット自身も振動してしまい音を汚す原因になったり、階下への不快な低音が迷惑になったりする。
ところが本機はインシュレーターを備えるなど、振動対策もきちんとしており、低音の迫力も十分なものだ。これが実売でおよそ5万円台で手に入るというのは、実にお買い得だと思う。
映画もゲームもたまにしかやらないという人は、内蔵スピーカーの音で満足しているかもしれない。それは満足しているというよりも、テレビを真面目に見なくなっているのではなかろうか。
最近よく耳にするテレビ離れを考えると、テレビコンテンツの質の低下も指摘される通りだと思う反面、パソコンやスマホをいじりながら、マンガや雑誌を読みながらの「ながら視聴」が増えていることも原因かもしれないと思う。
優れた音には、「ながら視聴」を中断させ、テレビの画面に目を向けさせる「力」がある。テレビの音をグレードアップすることで、映画やアニメ、ゲームといった良質なコンテンツの魅力を存分に味わえるのはもちろんだが、テレビ放送の面白さを再発見できるかもしれない。
いつも見ているテレビに何か物足りなさを感じたら、まず「音」を疑ってみよう。その解決にも「YHT-S351」はおすすめなのだ。
ヤマハ「YHT-S351」スペック概要 | |
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実用最大出力 | 200W(50W×2+100W) |
別売スピーカー追加時 | 350W(50W×5+100W) |
入力端子 | HDMI×3系統、音声×3系統(光デジタル1、同軸1、アナログ1)、USBポート×1系統 |
出力端子 | HDMI×1系統、ヘッドホン(ステレオミニ)ジャック×1系統 |
チューナー | FM×40局プリセット |
スピーカー(2ウェイ密閉型) | 5.5cmコーン型ウーファー×2(非防磁)、2.5cmバランスドーム型ツイーター×1 |
サブウーファー(バスレフ型) | 13cmコーン型ウーファー(非防磁) |
消費電力 | 40W |
待機時消費電力 | HDMIコントロールオン時5.0W以下、HDMIコントロールオフ時0.5W以下 |
外形寸法 | |
センターユニット | 幅435mm×高さ135mm×奥行き361mm(ヨコ置き時) |
スピーカー | 幅95mm×高さ206mm×奥行き105mm(スタンド含む) |
質量 | センターユニット:7.9kg、スピーカー:0.92kg×2台 |
付属品 | スピーカースタンド×2、スピーカーケーブル(3m×2)、リモコン、単4乾電池2本、光ケーブル(2m×1)、FM簡易アンテナ |