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仕事と生き方を変える、著名人の意見 ― 第7回

エントリー前に確認したい、ブラック企業を見抜くテクニック

2011年11月07日 09時00分更新

文● 新田龍

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※この記事は新田龍氏のメールマガジン「ブログには書けない、大企業のブラックな実態」(「ビジスパ」にて配信中)から選んだコンテンツを編集しお届けしています。

 求人情報をみていて、「社員数の割に、やたら採用人数が多い」「平均勤続年数が極端に短い」と感じ不安になったことはないだろうか。ブラック企業アナリストの新田龍氏が、一見しただけではわかりにくいブラック企業をどう見抜くか、紹介する。

 ここでは、一見ではわかりにくいブラック企業をさまざまな客観的データから見抜いて、誤って入らないようにするための様々なテクニックをお伝えしていきたい。

 今回は、「求人情報から見抜く」シリーズ。まずは簡単に見抜く方法をお伝えしよう。

(1)全体の社員数に対して、求人人数が多い ⇒退職者が多い可能性がある

 まずは現時点での社員数と、新卒での採用予定数を比べてみていただきたい。社員数の割に、やたら採用人数が多いな、と感じたら要注意だ(目安としては、全社員数の20%を超える程度なら多い部類に入る)。これは、入社後何らかの理由で辞める人が多く、それを見積もった上で採用している、という可能性があるためだ。バランス的に不自然な人数の採用をおこなっている企業は注意する必要がある。

個々人の成長のチャンスを逃してしまう恐れも

 また、バランスが悪いほどの大量採用をしてしまうと、入社後にしわ寄せが来る可能性が高い。すなわち、「入社してきた社員を十分管理し、教育できる人が相対的に少ない」状況になってしまうわけだ。そうなると、社員一人当たりの仕事のフォローやマネジメントが薄くなってしまうことに繋がり、個々人の成長のチャンスを逃してしまうばかりか、きちんと評価できる人が少ないことで、評価、昇進、昇給の機会まで逃がしてしまうかもしれない。

 ただ、割合が高いからといって一概に悪いとは限らない。注意して見なくてはならないのは「数字の意味」だ。たとえば・・・

 「社員数15名のネットベンチャー企業。業績が非常に好調で、今後も成長の可能性が高まったことから、新たに5名採用することにした」

 「社員数1000人の老舗企業。業績悪化のため、7年間採用をストップしている。今回、定年退職者が多くなったため、補充人員として10名採用することにした」

 前者は社員数に対して「30%」、後者は「1%」の採用なわけだが、入社後の活躍や給料の伸びなどさまざまな要素を考えると、単純に数字だけでは計れないことがお分りだろう。

(2)社歴に比べて、平均勤続年数が短い

 文字通り、勤続年数が短いということは、何か「辞めたくなるような要因がある」ことの裏返しだ。実際、私が以前勤めていた会社(世間からは「ブラック」と呼ばれていた)は、社員の平均勤続年数が「2.2年」だった。「薄給」とか「その割にハードワーク」といった理由が多かったように思う。

 したがって、平均勤続年数が極端に短い場合は、相応の理由があることを考慮すべきなのだが、いちがいに「短い=ブラック」と言い切れないのが難しいところだ。この数字は、「業界平均との差」とか「同業他社との比較」で考えるべきなのだ。たとえば、このような例を考えるとわかりやすい。

 「大手商社から4年前に独立したコンサルティング会社。専門であるセキュリティー関連の受注が好評で、業績も好調。最近は中途社員も積極的に受け入れ、半年前に8名採用した。仕事は刺激的で、やめる人はほとんどいない」

 「業界では老舗の素材系商社。安価な輸入品に押されて、ここ数年市場が急速に縮小している。中途採用は事務系職種以外ほぼおこなっていない。給与の伸びや将来性への不安から、毎年一定割合が離職している」

 前者は、直近で採用した人が多く、最も社歴が長い人でも勤続年数は「4年」のため、当然ながら平均勤続年数は短い数字となる。でも、社員は不満で辞めているわけではない。

 後者は勤続年数こそ長いものの、それは「居心地がいいから」というよりも、「他に行きどころがない」からということも考えられるだろう。かつ、この規模で歴史をもった会社にしては、離職率が高かったりもする。

 そう考えると、どちらが入社後「こんなはずじゃなかった!」と思うかは一目瞭然ではないだろうか。

その数字の理由は何か?多角的に判断

 このように、表面的な数字だけでは計れないことは多く存在する。その数字が現れている理由は何なのか。会社を取り巻く環境や、将来の見通し、同業種との相対的な比較、など背景となる要因や多角的な見方によるバランスを考えて判断できればいいだろう。

【筆者プロフィール】新田 龍

 ブラック企業アナリスト 株式会社ヴィベアータ 代表取締役。「ブラック企業ランキング」ワースト企業で事業企画、コンサルタント、新卒採用担当を歴任。日本で唯一の「ブラック企業の専門家」として、TVや各種メディアでのコメンテーター、講演、執筆実績多数。 著書に「伝説の就活」・「逆転内定」シリーズ、「人生を無駄にしない会社の選び方」「ブラック企業を見抜く技術・抜け出す技術」「就活の鉄則!」など。

 「ビジスパ」にてメルマガ「ブログには書けない、大企業のブラックな実態」を執筆中。

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