このページの本文へ

仮想化対応を強化したAcronis Backup & Recovery 11も発表

アクロニス、新製品と新戦略で「データプロテクション」を強化

2011年10月24日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

10月21日、アクロニス・ジャパンは事業戦略発表会を開催した。日本法人設立3周年を迎えた同社の現状を説明すると共に、イメージバックアップソフトの新バージョン「Acronis Backup & Recovery 11」も発表された。

イメージバックアップの老舗がデータプロテクションを強化

 アクロニスはイメージバックアップという概念をいち早く導入した米国のソフトウェアベンダーで、「Acronis TrueImage」という名称で2002年から個人・企業向け製品を展開してきた。日本法人のアクロニス・ジャパンは2008年に設立され、ソフトバンクBB、ダイワボウ情報システム、ネットワールドの3社が販売代理店を経由し、現在8万5000ライセンスを販売しているという。

アクロニス・ジャパン 代表取締役社長 村上督氏

 代表取締役社長の村上督氏は、震災によりIT全体の投資が減少する中、事業継続やバックアップのニーズが高まっているという調査結果を紹介。また、データボリュームの増大、復旧時間の短縮、仮想化への対応などさまざまな課題がユーザーにあると説明した。こうした中、「イメージバックアップ市場ではすでに地位を確立しており、今後データプロテクションの分野に積極的に進出していく」と述べ、データプロテクション機能を充実させたAcronis Backup & Recovery 11の新バージョンを投入すると説明した。

データプロテクションを強化すると謳ったアクロニスのビジョン

 ただ、「データプロテクション」という領域や表現に関しては、「システムに加え、よりアプリケーションに特化したデータの保護」という説明であり、アーカイブやセキュリティ分野での機能を指すモノではないようだ。競合製品も示されず、肝心なデータプロテクションの内容は具体性を欠いた印象だ。

Acronis Backup & Recovery 11の新機能

 続いて、プリンシパルセールスエンジニアの佐藤匡史氏は最新版のAcronis Backup & Recovery 11について説明を行なった。Acronis Backup & RecoveryはWindowsやLinuxのほか、幅広い仮想化環境をサポートする企業向けのイメージバックアップソフトで、OSやアプリケーションの再インストールや設定を行なわなくてもシステムを復旧できる。重複排除や仮想・物理環境でのバックアップ、データの暗号化などの機能もいち早くサポートしている。

アクロニス・ジャパン プリンシパルセールスエンジニアの佐藤匡史氏

 Acronis Backup & Recovery 11では、まずLinux OSにおいて異機種や仮想化環境への復元をサポートした。Acronis Backup & RecoveryではUniversal Restoreという名称で異なる構成のハードウェアや仮想化環境にリカバリする機能を持っていたが、これをLinux OSでも可能にした。

 仮想化対応も大幅に強化し、1ライセンスで仮想ホスト1台へのP2V/V2Pが無制限に行なえるようになったほか、VMware vSphere 5やHyper-Vのクラスター構成における仮想マシンの保護も可能になった。また、ストレージをマウントした外部のマシンをバックアップサーバーとしてタスクを実行させるオフホスト方式、ESXサーバー上の仮想アプライアンスにマウントされたストレージにバックアップする仮想アプライアンス方式の2つをサポートし、LANへの負荷を大きく削減するという。

LinuxでのUniversal Restore

バックアップデータを別にとるステージング機能

 データ増大への対応に関しては、重複排除のパフォーマンスを前バージョンより約50%改善したほか、さまざまなシステムをサポートするAcronis RSM(Removable Storage Manager)を採用することでテープ対応も強化した。さらに最大4回までデータを段階に分けてバックアップするステージング機能を追加し、別ディスク、テープ、FTP、WAN越えコピーなどの2次バックアップが可能になった。テープデバイスへのリードライトを行なわない場合は、他のソフトウェアがそのテープデバイスを使用することができるという。

 その他、バックアップデータにインデックスを付けることで検索可能なカタログを作成する機能のほか、バックアップ計画を他のマシンでも共用するためのインポート/エクスポート、UEFIのサポートなども数多くの機能追加や強化が行なわれた。

Acronis Backup & Recovery 11の新機能

 製品はスタンドアロン型のAcronis Backup & Recovery Workstation/Server For Linux/Server For Widnows、集中管理型Acronis Backup & Recovery Advanced Workstation/Advanced Server SBS Edition/Advanced Server/Virtual Editionなどが用意される。集中管理型は、文字通り集中管理やテープ対応などの機能を持つ。異機種への復元や重複除外機能はエディションにより、オプションになる。

 参考価格(ライセンス版)はスタンドアロン型のAcronis Backup & Recovery Server For Widnowsが11万7600円、集中管理型のAcronis Backup & Recovery Advanced Serverが15万円となっている。11月1日からライセンス受注が開始される。

■関連サイト

カテゴリートップへ