鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第34回
ほとんどCELL REGZA!? Z系シリーズが大幅ラインナップ強化
3Dとゲームが凄すぎる!! REGZA「ZG2」&「ZP2」
2011年04月20日 17時37分更新
Zファン待望のパーソナル向けモデル「ZP2」
続いて、32V型/26V型のミドルサイズモデルであるZP2を紹介する。これまで、Z系シリーズは37V型が最も小さいモデルだったが、価格も含め37V型のZ系シリーズは特に人気が高い印象だった。さらに言えば「パーソナルルームで使えるもっと小さいZが欲しい」という声が前から多くあったのだという。
そうは言っても、Z系の画質を実現できる26V型や32V型のフルHD液晶パネルはなかなかなく、今春になってようやくの登場となったようだ。発売は6月上旬で、予想実売価格は32V型で15万円前後、26V型で13万円前後となる。
デザインは少々変更され、さすがにZG2のようなアルミ製スタンドなどは備えないが、液晶パネル自体が小さく軽いので、そこまで頑丈なスタンドは不要だろう。
その表向きのコンセプトは「中~小画面でZシリーズの画質を実現する」モデルで、基本的な内容としてはZ2シリーズの高画質機能をほぼそのまま受け継いでいる。画質調整機能などもそのままだ。ここでは、特にZP2ならではの特徴をクローズアップして紹介したい。
第一は3D表示が可能な点だ。家庭用の薄型テレビとしては、26V型で3Dに対応したのは今のところ最小で、現時点では他社を見渡しても発売モデルはZP2のみとなる。
3D方式もユニークで、東芝の言うところの「シアターグラス3D」方式を採用している。これは液晶パネルに偏光フィルターを備える方式で、画面上では左目と右目の映像を、走査線ごとに互い違いに同時表示する。偏光フィルターが左右の映像の偏光角を変え、対応する3Dメガネは特定の偏光角の光しか透過しないので、左目には左の映像が、右目には右の映像だけが映ることになる。
これは、3D対応パソコンの一部機種や映画館でも採用されている方式で、3Dメガネに電源が不要なことから「パッシブ方式」とも呼ばれる。最大のメリットは3Dメガネが安価なことだ。
もうひとつのメリットは、左右の映像を書き換えないので、映像のチラツキが少なく目に優しいこと。長時間3D映像を見ていても目に負担が少なく、疲れにくい。ちなみに3D映像制作の現場などでは、目に優しいためパッシブ型を使うことが多いそうだ。3Dゲームを長時間プレイしたいという人にはなかなか魅力的である。
デメリットとなるのは、左右の画面を同時に表示するため、タテ方向の解像度が半分に減ってしまうこと。サイド・バイ・サイドの場合、ヨコ方向の解像度も半分になっているので、この方式で見ると解像度は1/4となってしまう。ただし、ZP2も3D超解像に対応しているので、ヨコ方向の解像度は元に近い状態に復元される。
実際にZP2シリーズの3D映像を見たところ、まず気がつくのが「走査線の隙間」が見えること。固定画素テレビで走査線という表現をしたことに違和感を感じた人も多いと思うが、走査線の隙間が見えるというブラウン管テレビの感覚をストレートに伝えたかったためだ。
筆者も含めて、ブラウン管テレビで走査線の隙間が見える経験をしてきた人は多いと思うし、なんとなく懐かしい感じもある。当然だが、これは視聴距離を少し長くするだけで気にならなくなる。
なによりも、アクティブシャッター方式の3Dメガネのように重くないし、3D映像を見ていても目に負担が少ないことがはっきりわかる。画面が小さいことで、解像度の低下も思ったほど気にならなかった。また、アクティブシャッターの開閉による輝度の半減がないので、映像が明るいというのも目に負担が少ないと感じる理由のひとつになるだろう。なにより映像に力があり、きれいに見える。
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