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Sandy Bridge復活! 旬なPCケースを使って新型PCを自作

2011年03月19日 17時30分更新

文● 富田 忠雄

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各部の魅力を徹底紹介!!
ポイント1 拡張性

SSDでのRAID構築ユーザーにもオススメ

 まずは、動画や音楽などを大量に保存する人が最も気にするドライブの拡張性だが、HOPLITE ECA3222は、ミドルタワーとしてはなかなか優秀だ。
 5インチベイ×4、3.5インチシャドウベイ×2、2.5インチシャドウベイ×4に加えて、3.5インチホットスワップベイ×2と2.5/3.5インチの両方に対応する両対応のホットスワップベイ×1を装備している。
 Serial ATAの動作モードを“AHCI”にして、OSをインストールすればHDDを容易に抜き差し可能になる。ずっと残しておきたい動画や写真、音楽のデータを保存するHDDはホットスワップベイに取り付けて、データが必要なときに交換するようにすれば、PCケースのHDD搭載可能台数を気にする必要がなくなる。

トップ部には、2.5/3.5インチ両対応のホットスワップベイを搭載。クレードルタイプなので、SSD/HDDを裸のまま差し込めば使用できる

フロント下部にある3.5インチ用のホットスワップベイ。鍵などによるロックや電源オン/オフ機構は備えないが、専用のリムーバブルケースを使って抜き差しできる

ホットスワップベイの電源供給は、HDD用4ピン電源コネクター1個でオーケー。ファン用の3ピン電源コネクターを2個備えるのがポイントだ

2.5インチSSD/HDDを4台搭載できるシャドウベイを備える。3.5インチ→2.5インチ変換マウンターを使わずに、SSD RAIDを構築できるのは高ポイントだ

ドライブはサイドから取り付けるため、組み立て後のHDD増設時にビデオカードやマザーボードと干渉せず行なえるのがうれしい

2.5/3.5インチともに、ツールレスで固定可能。なお、2.5インチに至っては、ドライブに固定用レールなどを付けることもなく、そのまま差し込むだけと、非常にお手軽

組んでいるときにとくにうれしかったのが、5インチベイのベゼルを前面からパカッと外せる点だ。フロントパネル全体を外さなくても良いのは楽だ~。メッシュにホコリが溜まった際の掃除時も簡単そうだ

5インチベイもツールレスで固定できる。光学ドライブの振動が出やすいレールやプラスチックのピンによる固定でなく、手回しネジによる固定を採用。なかなか秀逸な作りで、しっかりと固定できる

デュアルGPU搭載のビデオカードを搭載できる!!

 ミドルタワークラスのPCケースでも、カード長のあるハイエンドビデオカードは搭載できないことが多々あるが、HOPLITE ECA3222は約330mmまでのビデオカードに対応している。カード長がある最新デュアルGPU搭載ビデオカードのAMD製「RADEON HD 6990」でも、約305mm(突起部含まず)なので、余裕で搭載できる。
 ただ、2枚目のビデオカードは3.5インチシャドウベイの位置になるため、カード長は295mmまでの対応になる。そのため、AMD製「RADEON HD 6990」の2枚差しはPCケースに干渉してしまいできないが、「GeForce GTX580」や「RADEON HD 6970」などを使った2-way SLIやCrossFireは構築可能だ。HOPLITE ECA3222は、ハイエンドゲーミングマシンのPCケースとしても、問題なく使えるPCケースと言える。

「RADEON HD 6990」とほぼ同じサイズとなる「RADEON HD 5970」で試したが、余裕で搭載できた。ドライブベイとは、20mm程度の余裕が残っている

試しに2枚目の位置に「GeForce GTX 580」取り付けたが、余裕で搭載できた。今後登場するであろう、より高性能なビデオカードでも大丈夫だろう

オーバークロック動作も安心の水冷を搭載できる

 第2世代Core iシリーズの一番人気と言えば高いオーバークロック耐性が魅力の「Core i7-2600K」だ。空冷で5GHz近くまでオーバークロックできる固体もあるとあって、発売当初から注目を浴びている。
 そんな、オーバークロック時に強い味方となるのが、高い冷却性能と手ごろな価格のメンテナンスフリーのオールインワン水冷キット。多くのメンテナンスフリー水冷キットは、リアやトップの12cm角ファン取り付け穴を使って、ラジエーターを固定する。そのため、PCケースのファン取り付け周りの設計が重要になってくるのだが、なかにはI/Oパネル部やサイドパネルに干渉してしまいラジエーターを固定できないPCケースもある。
 しかし、HOPLITE ECA3222は大丈夫。試しに、他製品に比べて大型のラジエーターを採用するCORSAIR製「CWCH70」を取り付けてみたが問題なかった。
 なお、リアには水冷チューブ用ホールを備えるので、好みの水冷ヘッドやラジエーターなどを組み合わせる自作水冷を使うこともできる。

CORSAIR製「CWCH70」。ラジエーターやCPUヘッド、ポンプなどがセットのメンテナンスフリーのオールインワン水冷キット。対応ソケットは、LGA 1155/1136/1366、Socket AM3/AM2+など。実売価格は1万2800円前後

CWCH70のラジエーターは50mmと厚く、2基の12cm角ファンを搭載するが、問題なく取り付けできる

リア12cm角ファンの下部に2つの水冷チューブ用ホールを備えている

i7-2600Kの水冷限界に挑戦してみた!!

 せっかくなので、自腹で買った「CWCH70」と「Core i7-2600K」を使ったオーバークロックに挑戦してみよう。マザーボードにはMSI製のP67搭載「P67A-GD65 V2」を使用し、BIOSから倍率を変更して実施。
 あと、Sandy Bridgeのオーバークロックで重要となるBIOS設定の項目の「internal CPU PLL Overvoltage」は、“AUTO”から“Enabled”にしている。この項目の設定の有無で、動作クロックはかなり変わってくるので覚えておこう。

「Core i7-2600K」は、第2世代Core iシリーズの発売日に購入。ロットは“L041B202”になる。巷ではかなり高いオーバークロック耐性の報告が上がっているが果たして……

 結果は、コア電圧を1.45Vまでアップした状態で、定格動作クロックから1400MHzアップ(ターボ・ブースト時からは1000MHz)するベースクロック(BCLK)100×48倍の4800MHzの動作がサクッとできた。
 定格動作時とベンチマークで性能を比較すると、「CINEBENCH 11.5」でスコアーが約35%アップ。そして、「TMPGEnc Video Mastering Works 5」を使った動画エンコード(約11分間のMPEG2動画をx.264形式に変換)では、エンコード時間が7分13秒も短縮した。

ベースクロック(BCLK)99.8MHz×48倍の4789.7MHzで動作。コア電圧はCPU-Z読みで1.480Vになっている

CPU温度は、さすが水冷のひと言。ベンチを複数回実行しても最高温度は72度になっている

※編集部注:オーバークロックは自己責任で行なう行為です。オーバークロックによってパーツを破壊したり寿命を縮めたりした場合、メーカーの保障を受けられなくなります。また、記事を参考にしたオーバークロックで問題が生じても、筆者ならびに編集部では一切責任は負いませんので、ご了承ください。

※編集部注:オーバークロックの検証は、3月11日の東北地方太平洋沖地震が発生する以前に行なっております。検証は、PCケースに水冷システムを導入できるという拡張性と、高負荷時でも冷却性能が保たれることを証明するために実施したものです。計画停電実施期間中のオーバークロックを推奨するわけでは決してございません。計画停電実施期間中は節電のため、使わなくてもいいパソコンの電源はお切りくださいますよう、ご協力お願いいたします。

(次ページへ続く)

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