速報でも掲載したとおりに(関連記事)、KDDIはWiMAX+3G対応のAndroidスマートフォン「htc EVO WiMAX ISW11HT」、Android 3.0搭載のタブレット「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」の2製品を発表した。発表会に登壇した同社代表取締役社長の田中孝司氏はデジタル機器のギークとしても知られるが、その田中氏“らしい”口ぶりで製品を紹介していった。
auらしさとはワクワク感
ワクワク感を優先してのテザリング解禁
まず田中氏は「auらしさとはワクワク感。これは失ってはいけないと考えている」とする。その成果として、昨年発売された「IS03」の好調ぶり(50万台に達したという)をアピール。日本人向けにカスタマイズを進めたスマートフォンとして、“ガラスマ”という言葉を用いて「IS03」「REGZA Phone IS04」「IS05」などの製品をピックアップした。
それに対して、今回発表したhtc EVOは「ハイエンドユーザー向け。グローバルフォンの世界」とする。「アメリカで売れたと聞いている。(回線が)速いからこそスマートフォンの優れた体験ができる」とその魅力をアピール。また、みずからYouTubeやニコ動をよく見ていることに触れ、WiMAXを搭載したhtc EVOならば動画を快適に再生できるという優位点を紹介する。
そして「これまでのKDDIならここで終わりだったが」と、「テザリング解禁」を大きく打ち出した。htc EVOのテザリング機能では、8台までの無線LAN機器をインターネットに接続できる。8台もあれば普段使っているデジタル機器はまず間違いなく接続できると、やはり自身の体験をベースにハイエンドユーザーに向いた端末であるとのメッセージを伝えた。
一方のMOTOROLA XOOMについては、1月にラスベガスで開催された「International CES」におけるタブレットに触れ、「去年はどちらかというとスマートフォン元年だったが、今年はタブレットがくるぞと考えている」とコメント。その中でもMOTOROLA XOOMは「超注目のタブレット」と、EVOとともに話題のグローバル端末のいち早い導入について、意気込みを見せた。
EVOに続いてグローバルモデルが
次々と導入される可能性も?
グローバルモデルのいち早い導入という意味では、htc EVOもこれまでのau端末のリリースと比較すると、採用決定から発売まで大幅に短縮したスケジュールで進められたのだという。結果として、グローバルとは異なる周波数の使い方をしているauの旧800MHz帯には対応していない。もっとも新800MHz帯と2GHz帯には対応しているため「通常利用では問題がないが、まれにエリアの穴があるかもしれない。それも確実に埋めていく予定」(同社サービス・プロダクト企画本部長 増田和彦氏)とのことで大きな心配は必要ないようだ。
逆にauがグローバルな周波数にのみ対応した端末を発売したことで、今後海外でリリースされている各種のCDMA2000対応端末の投入にも期待が持てる。その点について、質疑応答で問われた際は「CDMAという部分では敷居が低くなっている。技術的にはほとんど差が無いという理解で問題ないと思う。具体的な何が入ってくるかは回答を控えさせていただきたい」とのことだった。
ただ「2012年度の新製品はスマートフォンが半数以上を占めるのではないか」という過去の発言について、改めて「そのつもりでいる」との発言もあり、グローバル端末の国内リリースも含めて、夏モデル以降の新製品に期待してもよさそうだ。