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トイレの情報3万件! 社会福祉をiPhoneで

2011年01月22日 09時00分更新

文● 盛田諒/ASCII.jp編集部

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iPhoneから国際展開へ

 2010年、満を持してリリースしたのがiPhoneアプリだ。ソフトは無料。目的は収益ではなく、「転換」だ。それまではあくまでデータの使用側をユーザーと考えていたが、データの登録側もユーザーと考えた。

 もうひとつ、一般誌へのPRも狙っていた。インターネットの中だけではダメで、自分の親の目線に立って考えなければならない。「スマートフォンで社会福祉」が話題となれば、全国紙も取り上げてくれるはずだ。

iPhoneからの登録は簡単。トイレの写真を撮って、場所情報を地図上で指定するだけだ

 そう考えた金子さんはソフトバンクに話を持ちかけた。アフターファイブにiPhoneを持って汐留を回り、データを登録するという企画だった。ソフトバンクでは初の社会福祉型キャンペーン。クチコミはあっという間に広がり、アプリのダウンロード数は3万本を超えた。

 だが、Checkはこれだけでは終わらない。

 いま手がけているのは経済効果の算定だ。仮に10万件のデータが集まり、それがフルに利用された場合、いったいどれだけの人数が動くことになるのか。そしてそれは地方経済にどれだけの影響を及ぼすのかを調査し、自治体そのものを動かしたい。

 世界進出も視野に入れている。高齢者が行きたい旅行先の上位に選ばれるのは、ハワイだ。バリアフリーに強い台北など、現地のNPO法人と組んでやりとりをしていくことも考えている。土台となる地図はできている。あとはデータを入れていくだけだ。

 「10年計画ですけどね。いま、次々と定年を迎えている団塊の世代も10年後には70歳ですよ。足腰が弱くなってきたら和式のトイレが使えない人も増えてきます。そのとき家族がこのサイトやアプリを見てくれたらいいんじゃないかなと思っています」

 そう言って金子さんは笑った。



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