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Apple Geeks 第22回

Qtで加速する「脱X11」なUNIX汎用ソフト

2011年01月05日 12時00分更新

文● 海上忍

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QtベースのOS X対応ソフト5選

 順調に増えつつあるQtベースのOS X対応ソフトだが、「Qt Inside」なんてロゴが掲げられているわけもなく、ユーザーが見分けることは難しい。OS X/Linux/Windowsのマルチプラットフォーム対応をうたい、OS X向けには「app」形式で提供され、ポップな印象のツールバーを持つ……実際のところ、ダウンロード後にotoolコマンドで検証する以外に確たる方法はない。

 筆者はとりあえず以下に挙げる5つのソフトをピックアップしたが、これは氷山の一角。興味があれば探し出してほしい。

画像ビューワー「XnViewMP

 Windowsでは定番の画像ビューワー「XnView」を、マルチプラットフォーム版として移植しているのが、この「XnViewMP」(XnView Multi Platform)だ。オリジナルの400種超という数に比べれば控えめながら、最新ベータ版(v0.33)の時点で読み取り173種/書き出し49種のフォーマットに対応、すでに強力な画像コンバータとしても動作する。

XnViewのマルチプラットフォーム版「XnViewMP」

最新ベータ版(v0.33)の時点で読み取り173種/書き出し49種の画像フォーマットに対応する

音楽プレーヤー「Clementine

 Ubuntuを中心にユーザーを獲得しつつあるサウンドプレーヤー「Clementine」も、Qtベースのソフトだ。現行バージョンはv0.6、すでに国際化対応が進展しているため、日本語メニューを表示できる。サウンドプレーヤーとしての機能も高く、AACやMP3のほか、FLACにも標準対応している。Wii Remoteをコントローラとして利用できるなど、通好みの機能も満載だ。

FLACなど多様なフォーマットに対応するオーディオプレーヤー「Clementine」

すでに言語リソースは国際化対応しているため、メニューや設定パネルも日本語で表示される

ワープロソフト「LyX

 LaTeXとの高い親和性を持つワープロソフト「LyX」も、Qtを使用している。QtがCocoaをサポートする以前からOS X版をリリースしているが、Qtベースへの移行により、完全なマルチプラットフォーム指向のソフトへと進化している。

LaTeXの出力を画面で確認しながら作業できるワープロソフト「LyX」

アニメ作成ツール「Pencil

 「Pencil」は、アニメーションの作成を目的としたドローソフトだ。タイムラインに沿って画像を並べることで、パラパラマンガを描く感覚でアニメーションを作成できる。出力可能なフォーマットはFLASH(swf)やMPEG、JPEGなど。

画面写真は「Pencil」サイト上のサンプル。絵心のある人がPencilを使えば、それなりのアニメーションを作成できるはず

ポーカーゲーム「PokerTH

 「PokerTH」は、Texas hold'emという種類のポーカーを楽しめるカードゲーム。各プレーヤーに配られる2枚の手札と、全プレーヤー共通のカード(コミュニティカード、最大5枚)を組み合わせ、役を競う形でプレーする。コンピュータとの対戦のほか、最高7人でネット対戦できるという点がおもしろい。

ラスベガスではよく知られているらしいTexas hold'emを楽しめる「PokerTH」


筆者紹介──海上忍

 ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。


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