思いついたアイデアは即音声メモ
外出先で携帯電話の会話を録音したいこともある。そんな時は、電話録音用のマイクを利用するといい。イヤホンマイクを装着し、プラグをICレコーダーのマイク端子に接続すれば、自分と相手の声を両方とも録音できる。迷惑電話が頻発している時や、重要な商談を行なう際に活用しよう。
また、映画で見かけるように、アイデアや所見をメモするのにも使える。紙とペンだと両手がふさがるが、ICレコーダーなら片手で操作できる。筆者は、製品を短時間にチェックしなければいけないときは、集中的に触りつつ、ICレコーダーに音声でメモするようにしている。いちいち文章に起こしていると、時間がかかってしまうからだ。
筆者の場合、ダイエットのためにウォーキングすることも多いのだが、歩きながらふと新しい企画が思い浮かぶこともある。電車での移動時なら自分にメールしたりEvernoteに記録するが、歩きながらスマートフォンを操作するのは危険だ。そんな時も、ICレコーダーに吹き込んでおけばいい。
セミナーや講演を録音するのにも、ICレコーダーを活用したい。音声データで残しておけば、聞き逃した部分を後でチェックできる。また、発言者に集中できるのもメリット。せっかく現場にいるのだから、メモのために下を向いたままというのはもったいない。メモは最低限もしくは後回しにして、トークを聞くことに集中しよう。
そのほかにも、音を録りたいさまざまなシチュエーションで、ICレコーダーは利用できる。バンドの練習中にサウンドをチェックしたり、アウトドアで野鳥のさえずりを録音したりといった具合だ。
多人数の発言を録音するなら
高品質なマイクが必要
静かな室内で自分と相手の声を録音するだけなら、安価なICレコーダーでも十分だ。しかし、多人数の発言が飛び交う会議室で録音するなら、ステレオマイクが必要になる。それも、できるだけ高性能なマイクを搭載しているほうが聞き取りやすい。
なぜなら、録音データを聞いてテキストに起こす際は、音質が作業効率をダイレクトに左右するためだ。こもったり不明瞭な録音データだと非常に聞き取りづらい。高品質なステレオマイクを使えば、声をはっきり聞き分けられるうえ、発言者の位置までだいたいわかるので、スムーズに作業できる。
録音場所や内容によっては、マイクも使い分けたい。例えば講演を録音する際に、音響がしっかりしている会場ならICレコーダー本体のマイクでも問題なく録音できる。しかし、声やスピーカーの出力が小さかったり、周囲の人がうるさいこともある。そんな時は、単一指向性を持つ外付けマイクを利用する。単一指向性マイクはマイク正面の感度が高く、狙った音を録音できるのが特徴だ。単一指向性マイクを装着し、マイクを発言者に向ければ、よりよい音質で録音できるだろう。一方、無指向性マイクは周囲の音をまんべんなく録音するので、会議などに向いている。
録音品質を重視するPCMレコーダーは特に大きなマイクを搭載しており、使っていると「できるビジネスマン」といったイメージを与えられるかもしれない。取材時には「それ、なんですか?」と聞かれ、話題のフックになることもある。
とはいえ、すでにICレコーダーを持っているなら、無理に買い換える必要もない。そんな時は外付けマイクを利用すればいい。外付けマイクはICレコーダーのメーカーはもちろん、サードパーティーからもたくさん発売されている。
内蔵マイクの性能がいまいちでも、安価な外付けマイクを使うだけで音質が大きく改善される。マイク端子から電源を供給できるプラグインパワー対応機種なら、ソニーの「ECM-DS30P」のような製品が手軽だ。本体に直接差し込むだけで録音できる。マイクの角度を調節できるので、話者に向ければキレイに会話を拾ってくれる。
一方、多人数の会議や屋外での録音をするなら、オーディオテクニカの「AT9920」のような据え置き型マイクが便利だ。ケーブル長が1.6mあるので、本体は手元に置きつつ、マイクを大テーブルの中央に設置することが可能だ。ICレコーダー本体を離れた場所に置いた場合、電池切れや残り録音時間に気がつきにくいのだ。また、離れた位置に置く外付けマイクを使えば、本体を操作しても操作音が録音されないというメリットもある。
AT9920は屋外モードと屋内モードを切り替えられるほか、振動や風切音などを低減する機能を搭載する。マイク自体もラバーフローティング構造になっており、ノイズが乗りにくい。実際に使ってみると、ICレコーダー本体のマイクを使うよりも聞き取りやすい。雑音も抑えられており、録音起こしをする際に大助かりだ。
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