柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第44回

合コンからいびき対策まで ICレコーダーを活用する技

ICレコーダーは会議室以外でも活用できる！ 写真はオリンパスのICレコーダー「Voice-Trek V-65」(実売価格は7500円前後)

　筆者は仕事柄、取材内容を録音するためにICレコーダーを愛用している。また例えば会社では、議事録を任されて会議をICレコーダーで録音している、という人も多いのではないだろうか。

　スマートフォンや携帯電話にも録音機能は付いているものの、録音専用機であるICレコーダーならではのメリットや活用法はたくさんある。使いこなせば、常にポケットに入れておきたいデジタルアイテムになることは間違いない。今回はビジネスからプライベートまで、ICレコーダーを活用する技を紹介しよう。

録音しておくと意外に役立つ
常に持ち歩いて使いたいICレコーダー

　ICレコーダーはフラッシュメモリーに音声を録音する製品で、安い物なら4000円前後から購入できる。一般的な製品はMP3やWMA形式で記録され、パソコンにファイルをコピーして再生できる。高性能なマイクを搭載し、リニアPCMという高音質な形式で記録する「PCMレコーダー」と呼ばれる製品もある。こちらは、1万5000円前後から4万円程度と、やや高めのアイテムだ。

　基本的にICレコーダーは録音して再生するだけのデバイスだが、活躍するシチュエーションは多い。取材や会議などの記録はもちろんのこと、商談や営業の時に会話を録音するのにも役立つ。自分のトークをあとで聞き返してみると、至らないところがよくわかるものだ。その場の勢いで約束した数字なども確認できる。万が一、言った言わないのトラブルになった時にも、録音があれば納得してもらえる……かもしれない。

　また、合コン時の会話を録音しておくと、いろいろな意味で活用できる。まず自分のしょぼいトークを聞いて、反省するのに使う。うまくいったなら狙っている女性の話をもう一度聞いて、次回のデートに役立たせよう。そのほかに、男同士で集まった時の反省会で再生すると、盛り上がること間違いなし。普段自分の声など聞く機会はないので、自分自身も含めて恥ずかしさに悶絶しよう。

スーツの胸ポケットにICレコーダーを忍ばせておこう

　通勤時の電車内など、両手が使えない状況での学習に活かすこともできる。語学学習は定番だが、前日に勉強して間違いが多かった部分を自分で録音しておけば、復習にも役立つ。丸暗記したい重要な参考書は、一度音読して録音し、隙間時間を見て勉強するといいだろう。はた目にはiPodで音楽を聴いているようにしか見えないので、勉強場所も選ばない。

　iPod touchやiPhone、Android端末でも、音声を録音・再生できるアプリがあるが、ICレコーダーのほうがバッテリー駆動時間が圧倒的に長いという利点がある。電話として使っているスマートフォンを学習にも利用すると、バッテリー残量が気になるもの。異なるデバイスの方が、バッテリー残量を気兼ねせずに済むというメリットもある。

指定部分をリピート再生したり、再生速度調節ができる機種なら、語学学習に最適

参考書を音読して録音する。音読時も勉強になるので効果は高い

いびきを録音して健康管理に!?

　家族や恋人に「いびきや寝言がうるさい」と言われたことはないだろうか。自分ではまったくわからないので、「またまた大げさな」と思いがちだが、まずはICレコーダーで一晩録音してみよう。想像を超える咆哮が記録されているかもしれない。あまりにひどいようなら、いびき防止グッズを使ったり、寝具を見直すといいだろう。もし自分以外の人のいびきに悩まされているなら、録音して聞かせてあげるという手もある。

　しかし、就寝中に録音したデータの場合、ほとんどの時間は無音のはず。早聞き機能を搭載しているICレコーダーでも、数時間ものデータを聞くのは苦痛だ。そこで、一度パソコンに取り込み、波形編集ソフトで読み込んでみよう。ICレコーダーで主に採用されているMP3、WMA、WAV形式に対応しているフリーソフトとしては「Free Audio Editor 2010」がお勧めだ。音声ファイルを読み込むだけで、大きな音が記録されている部分が一目瞭然になる。大きな波形をクリックし、スペースキーを押せばそこから再生が始まる。

多機能な波形編集ソフト「Free Audio Editor 2010」。海外アプリだが、再生するだけなら、スペースキーを押すだけでいい