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フィル・シラー上級副社長が語る「Apple TV」「Mac App Store」

2010年12月10日 19時00分更新

文● 広田稔

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 ここ3ヵ月、アップルは怒濤の新製品ラッシュだった。9月末のiPodシリーズに始まり、10月末には「MacBook Air」、11月にはiPhone/iPad向けのOSアップデートとなる「iOS 4.2」、さらに「Apple TV」と日本版iTunes Storeでの映画配信と、息つく間もなくニュースを提供してきた。次期Mac OS Xである「Lion」や「Mac App Store」の構想が語られたのもこの時期だ。

10月末発表の「MacBook Air」
11月には、iPhone/iPad向けのOSアップデート「iOS 4.2」が公開
日本では、「Apple TV」は11月発売となった。日本版iTunes Storeでの映画配信も開始された
「Lion」こと「Mac OS X 10.7」の発売は、2011年夏予定App StoreのMac版「Mac App Store」

 そうして万全の体制で迎えたこの年末商戦。アップルは、来し方行く末をどう考えているのか。来日した米Appleのワールドワイドプロダクトマーケティング担当上級副社長、フィリップ・シラー氏にお話を伺った。

米Appleのワールドワイドプロダクトマーケティング担当上級副社長、フィリップ・シラー氏。写真は、1月のiPad発表会に登壇した際のもの

「Apple TVは既存のテレビと併存するもの」

 この3ヵ月の新製品で筆者が最も気になったのは、Apple TVと日本版iTunes Storeにおける映画配信だ。

 映像作品の「本丸」といえば、テレビと映画だろう。米国では今からさかのぼること約5年前、2005年の10月に発表した「iTunes 6」からテレビ番組の配信を開始。2008年の1月から「iTunes Movie Rental」として映画の配信もスタートしていた。

 一方、日本のiTunes Storeを見てみると、扱う映像作品はミュージックビデオが主流の時代がずっと続いていた。そして今年9月に発表された、ストリーミングで映像作品を見られる「Apple TV」は、当初日本では販売されなかった。この状況を見て、「このままテレビ番組や映画は永久に見られないのでは……」と嘆く日本のアップルファンも多かったのではないだろうか。

 iTunesの使い勝手で、本格的な映像作品をテレビで見たい──。そうした積年の願いが叶ったのが、新Apple TVと映画配信と言えるだろう。シラー氏は、今回の発売で提供できた「ユーザー体験」について、こう語る。

 新しいテレビ体験をユーザーに提供できたと考えている。今まで色んな人がトライしたが、なかなか成功しなかったことに私たちは挑戦して、その結果今までになかったテレビ体験を実現できました。作品を自分で選べて、それをすぐにダウンロードできる。録画もDVDを借りにいく必要もなく、見たいと思ったときにすぐにダウンロードして手軽に楽しめるわけです。

 アップルはApple TVに限らず、すべての商品において、素晴らしいハードウェア、革新的なソフトウェア、そしてコンテンツサービスを手がけています。それらのすべてを持って、よりよい環境やサービスをお客様に提供できる。こうした環境を実現するには、すごく努力が必要で、時間もかかります。

 Apple TVの内蔵ディスクを取り払って、ストリーミング1本に絞るという大胆な舵取りも、時間をかけて醸成されたものだという。

 映像作品には「数回見ればそれで満足」というものも多いでしょう。以前のApple TVはHDDを内蔵していたので、本体サイズも大きくて場所を取りましたし、容量が一杯になったらどうしようという不安もありました。新しいApple TVでは、そういうことは一切気にしなくていいのです。

 作品を見た後でデータを削除する手間も省けました。レンタルの価格も下がったので、安価にいろいろな作品を楽しめます。お客様の自由度が広がった。そういう意味で新しいテレビ体験と言えると思います。

 Apple TVと映像配信のサービスが目指すのはテレビ放送との共存だ。

 Apple TVは、どちらかというとDVDプレーヤーに近い存在ですが、テレビ放送の代わりにはなりません。ケーブルTVや衛星放送のチューナー代わりになるものでもなく、もっともっとフォーカスした形でのサービス提供と考えてください。

 iTunes Storeの音楽配信では、メジャータイトルだけでなく、インディーズの作品も数多く取り扱っている。映像配信でもそうした作品の裾野が広がり、さらにテレビ配信も始まれば、かなり面白い状況になってきそうだ。

(次ページに続く)

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