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これぞ「痛前」! 信濃町の寿司屋でサイリウムは輝く

2010年11月12日 12時00分更新

文● 広田稔(@kawauso3

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普通の寿司屋で申し訳ない

祭壇。店長曰く、「ここは茅原さんのコーナー」。お店の方に何も言われないんですか、という質問には「あきらめられました」とにこやかに答えてくれた

 「いやー、ホント普通の寿司屋で申し訳ありません」

中古大将

 そう、ニコニコ笑顔で出迎えてくれたのは、もちろん中古大将。築地日本海アトレ信濃町店は、2005年にオープンしたお寿司屋で、大将は立ち上げ時からのベテランだ。

 聞けばこの店、アニメ「喰霊-零-」のファンが集う場所として、ネットの一部では知られた存在なのだとか。そのため入り口には、ファンがお祭り(ライブ)帰りに持ち寄ったグッズが集まるという。だから「祭壇」なのである。

 「店ができたときにはレジ横に何もなかったんですが、僕が茅原さんの大ファンということを知っていて、自然とほかのファンが持ってきてくれるようになったんですよね」

 いや、それにしても、いきなり普通のお寿司屋さんにファンアイテムを「奉納」する人はいないはず。そもそも店長が茅原さんのファンだと知る理由がない。どんなきっかけがあったのだろうか?

 「2008年末に、『喰霊-零-』という、茅原さんがヒロインとして声を当てているアニメがあったんです。そのウェブラジオ『喰霊-零- 超自然災害ラジオ対策室』に、たまたま出演させていただいたのがきっかけです。番組内で出前を取ろうという話になったとき、知り合いの方がうちのお店を紹介してくれたので、収録現場に持っていったんです。わたしが」

 えっ、それって趣……。

 「いや、もちろんお仕事ですよ(キリッ)。現場にはもちろん茅原さんもいらして緊張しながら見学していたところ、『築地日本海アトレ信濃町店の中古拓也さんですー』って話を振られて、いきなり出演することになりました」

番組ではすっかり「大将」として定着しているらしい。大将のブログにも番組の模様は書かれている

 ともかく、そこで現場に気に入られたのが馴れ初めとなり、2009年6月末にネットラジオが終わるまで出前をしては、ちょくちょくラジオに出演していたのだという。おかげで「一部」で知名度が格段にアップした。

 以来、「聖地巡礼」のような感覚で同店を訪れてはオフ会を開く――というようなサイクルが生まれた。そうしたさまざまな運命のいたずらが、今年5月に「祭壇」という形で結晶したのだという。

こんな寿司屋で大丈夫なのか尋ねると、「会社にはちゃんと書類を出してるんです。これに対する費用対効果を計算して、許可が下りてますので問題ないです」と中古店長

祭壇の歴史を綴った「THE SAIDAN」(!)というフォトブックも。店の常連さんが作られたそう



(次ページに続く)



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