順位を落とすもグングン追い上げる!
スタート後はなんとか順位を戻しつつあったが、先ほどのフォーメーションラップでの一件でドライブスルーペナルティーを課せられ、20位以下と再び大きく順位を落としてしまう。しかし、番場選手の鬼気迫る走りで徐々に順位を上げていく。途中で#27 LMPフェラーリとテールトゥーノーズのバトルを繰り広げるもこれを制し、8位まで順位をアップし、32周目でピットインとなった。
ここで大橋監督の指示により、なんとタイヤ無交換という作戦に出た! 今回は距離も短いし、佐々木選手のタイヤマネージメント能力に期待してのこと。ドライバー交換のみで素早くピットワークを完了させ、9位でピットを出たのだった。
ピットインで順位をひとつしか落とさなかったのは大きい。佐々木選手はすぐに追い上げにかかるが、数周したらさすがにタイヤも悲鳴を上げているらしく、「曲がらないので、コースアウトしないように気をつけた」とのこと。途中、是が非でもポイントを取りたいガライヤとのバトルで接触され、コース外に飛び出したがなんとか体制を立て直し復帰、最終的にガライヤの前に出ることに成功した。
レース終盤、10位まで順位が落ちていたが、ファイナルラップで#26 タイサンポルシェを抜き去り、9位にアップ。待望のシングルフィニッシュで最終戦を終えたのだった。
予選の順位から見ると、非常に悔しくもあるが、一度20位まで順位を落としてからの追い上げからシングルフィニッシュ、GT300クラスのベストラップ「1'57.233」を叩き出すなど、ミクポルシェのポテンシャルはまだまだ上があるという希望が持てたレースであった。
レース自体も最終戦というだけあって、数々の名バトルが繰り広げられ、GT300では#86 JLOCランボルギーニと、#11 JIMGAINER フェラーリの文字通り体当たりの3位争いが展開され、GT500では#1 ペトロナス SC430と#18 ウィダー HSVが、見ているほうが胃が痛くなるほどの熱い戦いを見せ、それぞれ#86と#1が戦いを制した。しかし、サイドウィンドウとミラーが外れても闘志剥き出しで迫る#11の平中選手、2位でもチャンピオンなのにホンダのホームコースに勝ちを捧げようと果敢にプッシュした#18の小暮選手には、レース終了後も惜しみない拍手が贈られた。間違いなく、日本レース史に残る屈指のバトルだった。
ともあれ過去最高順位で最終戦を無事に終えたミクポルシェ。ミク痛車が日本最高峰のレースに登場して3シーズン目だが、徐々にコンペティティブになりつつある。今シーズンは表彰台は叶わなかったが、この調子でいけば来シーズンはチャンピオン争いに加われるかもしれない。
なお、29日にGSRから正式に「11月の特別戦は不参加」との発表があった。COX単体で佐々木選手をファーストドライバーにして参戦するらしいが、カラーリングは変更されると思われる。したがって、ミクポルシェとしてはこのもてぎ戦が最後の戦いとなった。1年間、チームスタッフも個人スポンサーを始めとするファンも、そしてポルシェ 911 GT3Rもお疲れ様でした!
(次ページへ続く)
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