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ネットワークカメラや届いたファクスを自宅から見られる

キヤノンMJ、中小企業向けクラウド「HOME」を機能拡充

2010年10月15日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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10月14日、キヤノンマーケティングジャパンはクラウドを活用した、中小オフィス向けIT支援サービス「Home」の機能を拡充すると発表した。新機能は10月中旬から順次提供する。

Homeのサービス紹介ページ

 Homeは、専任のIT管理者を置けない中小オフィスをターゲットにしたクラウド型のサービス。フォーティネットの「FortiGate-50B」に相当するUTM(Unified Thereat Management)を低価格で貸し出すほか、グループウェア機能を備えたポータルサービス、ITリソースを有効活用するためのヘルプデスクサービスを提供する。

HOME-PORTALのトップページ。新機能のメールサービスが表示されている

 利用料金はポータルサービス(HOME-PORTAL)とヘルプデスク(HOME-CC)のみを利用するtype-Pの場合、月額3200円/初期費用1万2000円。UTMのレンタルも加わるtype-Uでは月額1万2000円/初期費用6万円。

 新機能はいずれもHOME-PORTALの利便性を高めるもので、「HOME-Link機能」「imageRUNNER ADVANCE連携」「HOME-MANAGER」「Canonet WebMailポートレット」「ネットワークポートレット」の5つがある。

HOME-Link。良く使うサイトのID/パスワード入力の手間を大きく減らせる

 HOME-Linkは、イントラネット/インターネット上のよく閲覧するサイトを登録し、シングルサインオンでアクセスできるようにするもの。社員だけが閲覧できるページや、会員制のニュースサイトなどを開く際にパスワードを入力する手間を軽減することができる。

 imageRUNNER ADVANCE連携は、キヤノンが販売しているオフィス向けカラー複合機「imageRUNNER ADVANCE」シリーズで受信したファクスやスキャンデータを自動的にクラウド上(HOME-BOX)に保管し、社外からインターネット経由で見られるようにするサービス。

HOME-MANAGERの画面。ネットワーク接続されている機器の一覧が参照できるほか、資産管理情報などを追加することも可能

 HOME-MANAGERは、ネットワークにつながっている機器をピックアップし、接続状況を一覧できるもので、資産管理やセキュリティ管理に有効。type-Uでは標準機能として提供されるが、type-Pでは初期費用3000円/月額1000円の料金が必要。またオプションサービスに契約することで、エージェントをインストールしたPCのWindows Update適用状況、アンチウィルスソフト自動更新チェック、USBポートの利用禁止、メールやブラウザー設定の一元管理などが行える。

消費電力がグラフで参照できる。また設定を変えることでどれぐらいの削減効果が得られるかのシミュレーションもできる

 エージェントには消費電力やCO2消費量をグラフで表示する機能もあり、ユーザーのエコ意識を刺激することが可能だという。

 Canonet WebMailポートレットは、キヤノンが提供するインターネットサービス「Canonet」に契約しているユーザー向け。HOMEに表示するポートレット(ガジェット)として、CanonetのWebメール機能が組み込める。

ネットワークカメラポートレット

 ネットワークカメラポートレットは、キヤノン製のネットワークカメラがとらえている映像を閲覧できるガジェット。パン・チルト・ズームなどカメラの操作も可能で、小売店の陳列棚や工場のライン管理などの映像を自宅や外出先から閲覧するといった用途を想定しているという。利用には6000円の初期費用が必要となる。

 キヤノンマーケティングジャパンは、従来のハードウェア販売中心の事業体系から、ソリューション(問題解決型)事業へと業態転換を目指しており、10月1日にはクラウドビジネスを強化するため、キヤノンITソリューションズにクラウドビジネスセンターを新設したばかり。

 中小企業庁が発行した「中小企業白書 2008年度版」によると、従業員数300名以下の中小企業は約419万社となり、全体の99%を占める。そのうち30名以下の企業は366万社。つまり国内の企業の多くは中小企業/SOHOとなるが、そのほとんどはIT管理者が不在または兼任となっており、中々IT化が進んでいない状況だ。

 Homeはこうした中小オフィスに対して、十分なセキュリティ、少ない導入コスト、管理負荷の低減といった付加価値を与え、安心と生産性の向上を獲得できるサービスとして提供していくという。

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