本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説をあますことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
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さて、今回は、Googleが新たに公開した画像形式「WebP」(ウェッピー)について。同品質のJPEGに比べファイルサイズは10~80%と高圧縮率が話題の画像フォーマットを、OS Xで試してみよう。
What's 「WebP」
WebPについて述べる前に、Googleがなぜ新しい静止画像フォーマットを普及させようとしているのか、その部分から解説してみたい。
Googleは2009年8月、動画圧縮技術で知られる米On2 Technologiesを買収、「VP8」などのビデオコーデックを手中に収めた。高圧縮率のビデオコーデック「WebM」がリリースされたのは、買収が完了から3ヵ月後の今年5月、VP8とともにオープンソースソフトウェアとして公開している。
今回発表されたWebPには、そのVP8/WebMで用いられているライブラリー「libvpx」が用いられている。大まかにいうと、ビデオコーデックは時間軸上で連続する画像(フレーム)とその差分を処理してデータを圧縮しているため、技術は静止画の圧縮にも応用が効く。その意味でWebPはVP8/WebMの副産物、といっていいだろう。
WebPがリリースされた背景だが、「風が吹けば桶屋が儲かる」とでも例えるべき、スケールが大きいのか、はたまた商魂たくましいのか、いかにもGoogleらしい動機が見え隠れしている。
彼らが主張するところによれば、ウェブ上を行き交うトラフィックの65%は画像データであり、これを減量できれば帯域に余裕が生じるという。つまり、画像ファイルの軽量化によってウェブサイトの負荷は軽くなり、Googleが提供する検索などのネットサービスもまた回転率が向上するということだ。
確かに、軽くて高品質な画像フォーマットが普及することは、おそらく多くのインターネット利用者にとってメリットとなる。しかし、これが慈善事業プロジェクトでないことは留意しておきたい。
OS Xで「WebP」を試す
この原稿を書いている10月8日現在、Google Code上に設置されたWebPのプロジェクトには、RIFFコンテナの書式などドキュメント類のほか、ソースコード一式が公開されている。コンパイル済のバイナリも用意されているが、Linux x86_64で動作するCUI版のみだ。
これをOS Xで動かそうとすると、WebMに含まれるlibvpx、JPEGとPNGを扱うために必要なlibjpeg(Independent JPEG Group)とlibpng、画像処理ライブラリー「Leptonica」と、順にライブラリーをビルドしなければならない。MacPortsやFinkを活用しているパワーユーザーはともかく、ちょっと試してみようという一般ユーザーにとって導入のハードルは高い。
しかしありがたいことに、早くもOS X向けのWebP対応アプリケーションが登場した。それでは早速、ブラウザー用プラグイン「Weppy」と、グラフィックソフト「Pixelmator」のWebPサポートを検証してみよう。
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