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スイッチでデータセンターが変わる

イノベイティブな戦略がクラウド時代を切り開く

2011年度のシスコ戦略説明会から「Cisco 3.0」を妄想する

2010年10月07日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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10月6日、シスコシステムズは2011年度の戦略説明会を行なった。アジア パシフィックス アンド ジャパン プレジデントのエザード・オバービーク氏、8月に社長に就任したばかりの平井 康文氏が事業戦略について語った。新年度のテーマ「Ignite Japan!」に秘められた思いとは?

次世代企業の創出に向けて

シスコシステムズ アジア パシフィックス アンド ジャパン プレジデントのエザード・オバービーク氏

 エザード氏は、まず前年比11%増となった売上高400億ドル、19%増となった純利益94億ドルという2010年度の好調な業績を披露した。そして、「Everything as a Service」の基盤となるネットワーク、さまざまなデバイスや回線を統合していく「メニープレイ」といったシステムを紹介し、これらをエンドツーエンドでインフラストラクチャを提供できるのはシスコだけだと説明した。また、モビリティ、クラウド、セキュリティ、グリッドなどのソリューション、あるいは医療や教育、エンタテインメントなど業種ごとの試み、中国、インド、ロシア、ブラジルなど新興国市場の開拓、そしてシスコ自体の変革まで含めた30に渡る隣接市場へのチャレンジを紹介した。

シスコシステムズ 代表執行役員 社長 平井 康文氏

 次に新社長の平井氏が2011年の事業戦略を解説した。まず「2014年には1兆個のデバイスが接続され、インターネット自体が産業に育ってきた」(平井氏)という市場の変遷を紹介。また、グローバル化が進展する一方で、その弊害が顕在化している点も指摘した。「今後、日本では就労労働人口が減っていくため、生産性を高めていく必要がある。こうしたなか、今までコンシューマ向けツールとして使っていたSNSを企業向けのコラボレーションツールとして使うことが増えていく」(平井氏)と語り、ITを積極的に活用した次世代企業に生まれ変わる必要性を説いた。

 こうした現状のなか、2011年度のシスコのテーマは「Ignite Japan!(日本に火を付ける)」になる。経済的・政治的に沈滞した雰囲気の日本に活を入れるといった意味合いで、社内で浸透しているメッセージだという。具体的には「ビジネス・コンシューマー・地域コミュニティに対して、ネットワークセントリックなソリューションを通し、日本の社会・経済・環境イノベーションを牽引する」というビジョンとなっている。

2011年度のシスコのビジョンは「Ignite Japan!」

 そして、これらを実現するため、同社は「ボーダレスネットワーク」「サービスプロバイダ&IP NGN」「データセンター・仮想化」「コラボレーションビデオ」の4つの基幹アーキテクチャを推進し、それぞれに担当の執行役員を付けた。また、フルの仮想化、IP NGNをコアにしたクラウド戦略、あらゆるデバイスを接続していくスマートコネクテッドコミュニティという2つの注力分野について解説した。しかし、「どちらの分野でも、私たちはあくまでイネーブラやプロデューサの役割を果たす」(平井氏)ということで、パートナー施策もこれまで通り重視する。今までのような製品中心の縦割りのパートナーシップから、ビジネスやソリューション、ユーセージモデルなどを前提としたより統合された新しいパートナーシップを構築していくという。

 また、シスコ自体も次世代企業への生まれ変わりを果たしていくという。平井氏曰く、「シスコ自体が役職を中心とした階層型の組織ではない。ダイナミックなネットワーク型の組織」とのこと。ディレクトリサービスで検索し、7万人の社員のなかからエクスパートと直接コンタクトをとったり、ビデオブログを日常的に使っているといった企業カルチャーも紹介された。

インフラだけではなく、新しいビジネススタイルを提案・実践していく

(次ページ、盤石のネットワーク分野 UCSとビデオ会議の市場開拓が試金石)


 

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