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膨らむデータを効率的にカットしよう

D2Dバックアップに必須!重複排除はHP StoreOnceで

2010年09月21日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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EMC、ネットアップ、デル、シマンテックなど多くのベンダーと同じくヒューレット・パッカード(以下、HP)も、重複排除にご執心だ。「HP StoreOnce」が提供している重複排除機能について米HP ストレージプラットフォーム事業部 マーケティングマネージャのアンドリュー・ディッカーソン氏に聞いた。

Converged Infrastractureのなかの重複排除

米HP ストレージプラットフォーム事業部 マーケティングマネージャのアンドリュー・ディッカーソン氏

 昨今、HPの戦略はサーバーやストレージ、ネットワーク、ソフトウェアなどを垂直的に統合することで効率的なITインフラを実現する「Converged Infrastructure」というキーワードに表わされる。具体的にはプラットフォームの統合、仮想化、ストレージの最適化、アプリケーション統合といった4つの施策を進めていく。このうち、ストレージの最適化を実現するための重要な技術がご存じ重複排除である。

 HPがユーザーが注目するストレージ技術を調査したところ、SSDや10GbEを押さえて、ここ数四半期連続で重複排除が1位に挙がっているという。アジア・太平洋地域では今後急成長する見込みとなっており、「特に日本では1000億円規模の市場になると見込んでいる」(ディッカーソン氏)と語る。このように重複排除が注目を集めている理由は、多くの企業がデータ保護や遠隔地との情報共有のために複数のデータを重複して保持しているためだ。同じデータは1つだけ保持し、あとはデータの場所だけを管理するという重複排除を用いることで利用するストレージ容量は減り、管理は容易になる。

 HPは、HP VLSファミリーでのファイル単位の重複排除のほか、「HP StoreOnce」というソフトウェアにより、こうした重複排除を実現している。HP StoreOnceには、メモリやI/Oを消費しない効率的なインデックス化、データのスピーディな検索、重複を検出するためのマッチング、フラグメント(断片化)の防止など、実に多くの技術が投入されている。これにより、最大50倍までのデータ削減効果が得られるという。

HP StoreOnceを用いて、重複排除を効率的に行なう

 このHP StoreOnceはバックアップ用ストレージ「HP StorageWorks D2D2500/4000/4112 Backup System」に搭載されている。D2Dシリーズは、サーバーのバックアップをテープではなくHDDに行なえる専用のストレージ装置。1.5TB搭載のエントリ向け「D2D 2500シリーズ」から最大36TBの「D2D4312シリーズ」まで、全4種類の製品をラインナップする。データ転送時に重複排除を行なうインライン方式を採用しており、ブロック単位で重複データを排除する。NASやVTL(Virtual Tape Library)、あるいは汎用バックアップソフト用のインターフェイスを公開しているため、相互運用も可能だという。「他社製品と比べても、パフォーマンスは20%以上高く、リストアも極めて高速だ。また、導入までのステップも他社が30ステップ踏むのに、D2Dシリーズでは11ステップで済む」(ディッカーソン氏)という。

 HPでは、HP StoreOnceをベースにあらゆる場所で重複排除の効果が得られるようにする構想を持っている。つまり、Converged Infrastructure上では、いったん重複排除されたデータをどの拠点でも同じように扱うことができるわけだ。また、HP StoreOnceでは重複排除をプライマリストレージでも利用できるように準備を進めており、今後製品に実装される予定。

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