このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第31回

ざっくり管理でクラウドサービスを使いこなす技

2010年09月14日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ライフログはEvernoteに付ける

Windows用の「Evernote」

Windows用の「Evernote」クライアントソフトでライフログを付ける

 EvernoteはテキストメモやPDFファイル、ウェブページのクリッピング、画像のほか、ボイスメモの録音やTODOリストの作成までできる、高機能なクラウドサービスだ(関連記事)。月額5ドル、もしくは年額45ドルのプレミアムアカウントにすれば、画像や音声、PDFを始め、すべてのファイル形式をアップロードできる。

 ただし月間のアップロード容量が、無料版で40MB/月、有料版でも500MB/月と著しく少ないのがネックだ。この制限のおかげで、デジカメ写真やスキャンしたPDFファイルの管理には、別サービスを使わなくてはならない。無料版はともかく、有料版はGB単位、もしくは無制限にしてほしいところだ。

 筆者もサービス開始後すぐに利用を始めて、さまざまなデータを保存していたが、そのうちに名刺はiPhoneの「WorldCard Mobile」アプリとアドレス帳で、ウェブクリップには「Instapaper」を利用するようになった。ちなみに、書籍をスキャンしたPDFは毎月数GBにのぼるので、まだクラウドサービスは使えない。

 Evernoteはライフログの保存やアイデアの書きために使っている。記事のネタや面白そうな企画を思いついたら、すぐにEvernoteにメモするのだ。外出先なら、メールで登録。件名に「#タグ」や「@ノートブック」と書けば、投稿と同時に分類もできる。Evernoteは全文検索できるので、読書録や蔵書リスト、所有する音楽CDなどを記録すると便利だ。映画の感想や食事の履歴を残すのもいい。なんなら、日記そのものも書ける。

Evernoteはスマートフォンのクライアントアプリも充実

WindowsパソコンやMacはもちろん、EvernoteはiPhoneなどスマートフォンのクライアントアプリも充実している

 容量が小さいPDFなら気軽に扱えるので、請求書類やマニュアル類をスキャンして保存しておいてもいい。銀行の残高が想像以上に減っているときに手軽に確認したり、家電の調子が悪いときに、マニュアルのトラブルシューティングを参照するといった使い方ができる。

 Evernoteを徹底活用するテクニックはあちこちで紹介(「エバーノート Evernote 完全活用術」も発売中)されているので、こだわった使い方をしたい人はそれらを参照してほしい。一方で、ビギナーがざっくり運用したいなら、タグと件名だけで管理してみよう。そのタグも適当でいい。PDFやテキストなら、キーワードで本文から検索できる。写真はタグが必要になるが、忘れてもだいたいの日付で探せばいい。最初のうちはノートの数も少ないので、サムネイルを眺めて見つけることも可能だ。


まずはごっそりデータをアップロードするのが
使い続けるコツ

 クラウドサービスはある程度データを蓄積しないと、良さがわからない。まずは手持ちのデータをまとめてアップロードすることだ。無料で利用できる数GB程度なら、1日でアップロードできる。続いて、自分が使っているパソコンやMac、スマートフォンに閲覧アプリをインストールして、すべての端末から同じデータにアクセスしてみよう。ローカル側でデータを管理するのが、いかに面倒なのか実感できるだろう。

 FlickrやEvernoteを使えるようになれば、昔の写真を眺めたり、お蔵入りしていた企画書に手を入れたりする機会が増えるかもしれない。DropboxやSugarsyncがあれば、出張先のホテルで時間つぶしをするのも苦にならない。さらにGmailがあれば、過去のメールがデータベースとして利用できる。

 いまやクラウドサービスを使わないのは、機会損失と言ったほうがいいほど。いち早く、自分のスタイルにあったサービスを使い始めよう。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)、「Linkedln人脈活用術」(東洋経済新報社、共著)。


前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン