共有ポイントを作成する
モバイルアカウントを作成する前に、「共有ポイント」を準備しておこう。共有ポイントとは、ネットワーク経由でアクセスできる領域のことで、プロトコルにはAFPまたはNFSが利用される。モバイルアカウントのホームディレクトリーはここに置かれることになるため、アカウント作成前に作業を完了させておく必要がある。
なお、ホームディレクトリーという容量がかさみがちな用途ゆえに、共有ポイントとする領域は専用のファイルサーバーをあてがうこともあるが、"家鯖"には大げさ過ぎる。ここでは、Mac mini内蔵のHDDに適当なフォルダーを作成し、そこを共有ポイントとすることにした。
具体的な作業手順は以下のとおり。モバイルアカウントを作成できるようになるまでには、もう少々作業が必要となるため、この続きは次回お届けしたい。
共有ポイントの作業手順
- 「サーバ管理」を起動し、サーバー欄でMac miniを選択、ツールバーの[ファイル共有]ボタンをクリックする。ツールバー下の「ブラウズ」をクリックし、フォルダーを選択できる状態にしておく
- 共有ポイントとするフォルダー(なければ「新規フォルダ」をクリックして作成)を選択し、アクセス権を確認する。Snow Leopard Serverのシステムボリューム(Server HD)に作成した場合、オーナーはrootで読み出し/書き込み、グループはadminで読み出しのみ、その他も読み出しのみ、という設定がデフォルトで適用されるので、ここではその設定を変えずに利用する
- ツールバー下の[共有]ボタンをクリック
- 現れた「共有ポイント」タブを開き、「自動マウントを有効にする」をチェック
- [編集...]ボタンをクリックし、プロトコルに「AFP」、用途に「ユーザのホームフォルダとグループフォルダ」を選択し、[OK]ボタンをクリック
- 認証画面が現れるので、ディレクトリー管理者名欄に「root」、パスワード欄に管理者(システム環境設定に登録している管理者ユーザー)のパスワードを入力して[OK]ボタンをクリック
- 画面右下の[保存]ボタンをクリックし、サーバー管理を終了する
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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