目指せ、遠隔操作可能なフォトフレーム
「ServersMan HD」の目玉機能は、なんといっても「フォトフレーム」機能だろう。iPadの9.7インチXGA(1024×768)液晶パネルを生かし、JPEGなどの画像ファイルを次々表示してくれる。iPad上の「写真」フォルダーにある画像はもちろん、サーバー機能を有効(ログインした状態)にしておけば、WebDAVクライアントやウェブブラウザーを利用してリアルタイムに写真を追加/更新することもできる。わかりやすくいえば、"通信機能付きデジタルフォトフレーム"ライクな機能が搭載されているのだ。
ネットワーク経路はWi-Fiのほか、3G回線にも対応している。つまり3G版であれば、3G回線の通信圏内にあるかぎり(もちろん「ServersMan HD」が起動されていなければならないが)、写真を自在に追加/更新できるわけだ。遠く離れて住む両親のためにデジタルフォトフレームをプレゼントしたいが、自力で写真を更新できるほどのITスキルを両親には期待できない……そんな状況でも活躍してくれそうなアプリといえる。
その利用方法だが、「ServersMan HD」の「Mystorage/Pictures」フォルダーへファイルをアップロードするだけでOK。前述したとおり、アップロードにはウェブブラウザーかWebDAV対応のファイルブラウザーを利用すればいい。これで、画面下部にある再生ボタンをタップすれば、スライドショーが開始される。
iPadローカルの写真データも利用できる。トップ画面下の「カメラ」ボタンを選び、現れた画面の「写真選択」をタップすれば、iPad標準の「写真」フォルダーにあるアルバムをブラウズできるダイアログが表示される。これを保存する操作を行ない、保存先として「このServersMan」→「Mystorage/Pictures」を選択すれば準備完了だ。
惜しまれるのは、iPhone版ServersManに用意されている「Scooop保存先設定」が未対応なことだ。この機能を利用すると、iPhone版ServersMan上の写真(iPhoneローカルの写真アルバムにもアクセス可能)を、Windows Mobile/Android上のServersMan製品へ送信できるのだが、現行バージョンでは「ServersMan HD」が選択肢に現れない。この機能がサポートされると、iPhoneで撮影した写真をほぼリアルタイムに「ServersMan HD」のスライドショーへ反映できるだけに、今後の対応が望まれる。
なお、設定画面の「フォトフレーム設定」で「ミュージックを再生」をオンにすると、「Mystorage/Music」に保存されているサウンドファイル(DRMなしのM4A/MP3)をBGMとしてスライドショーを再生できるのだが、筆者の環境では音が鳴らなかった。フリービットの開発担当者にコンタクトをとり、原因を探ったものの、筆者と同じ不具合は再現できていない(筆者以外にBGM再生不可という障害報告はないとのこと)ことを報告しておこう。