「サーバ管理」の基本的な使い方
いきなりMobile Access Serverなどの各論に入らず、今後Mac miniを“家鯖”化するにあたり避けては通れないツールから解説を始めてみよう。まずは、各種ネットワークサービスをオン/オフするなどサーバー機能を統括する「サーバ管理」(Server Admin.app)だ。
「サーバ管理」を起動すると、左側の領域に管理可能なサーバーが一覧表示される。現在はMac mini Server導入直後のため、表示されているのはMac mini Server1台のみとなる。ここに他のMac OS X Serverを追加すれば、Mac mini Serverからサーバーとしての機能を統括管理できるわけだが、スケールの大きい話になるためMac mini Server1台という前提で進めていく。
その自身のサーバーの下にぶら下がっている緑色のボタンが、現在稼働中のサービスだ。デフォルトでは、AFPやDNSなど10種類が稼働しているはずで、「サーバ管理」ではサービスの追加/削除とオン/オフを行なう。先週紹介した「サーバ環境設定」(Server Preferences.app)は、パネルとして用意されている以外のサービスを追加することはできないが、「サーバ管理」は25種類のサービスに対応している。
FTPを例に、サービスを追加する手順を紹介してみよう。まず、Mac mini Server自身のアイコンを選択し、[設定]ボタンをクリックする。現れた5種類のタブから「サービス」を選択し、FTPにチェックを入れて画面右下の[保存]をクリックすれば、準備OKだ。これで、サービス一覧に「FTP」が追加され、オン/オフなどの設定が可能になる。他のサービスについても、作業自体は同じだ。
Snow Leopard Serverの情報を探してみるも……
「サーバ管理」を一通り操作してみると、どの項目にどのような値を割り振るかわからない、という場面に出くわすことが多い。そんなときには、マニュアルなりヘルプなりのドキュメントがほしいところだが、Snow Leopard Serverにはごく基礎的な内容の小冊子が付属しているだけだ。
Snow Leopard Serverの導入にあたり必読と思われるのは、やはりApple公式のドキュメントだろう。「Apple Servers」には、主要なサービスに関するPDFが一通り用意されているため、一度は目を通しておきたい。
しかし……本稿執筆時点では、上記のURLにある「Mac OS X Server技術資料」の邦訳とおぼしきリンクをたどろうとしても、「ページが見つかりません」とつれないメッセージが表示されるばかり。情報は英語の活用ガイドから集めるしかなく、筆者の(原稿のウラをとる)参考資料もすべて英語、というのが現状だ。
このように、サーバーとして活用するための日本語参考文献は悲しいほど少ない。連載第2回目にしてこう書くのもナニだが、結構なイバラの道を歩かされることは覚悟しておいた方がいいかもしれない。
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
この連載の記事
-
第12回
iPhone
Mac miniをWiki&ブログサーバーとして使う -
第11回
iPhone
「Admin Tools」でMac miniを遠隔管理 -
第10回
iPhone
Mac/iPhone/iPad用「TeamViewer」で遠隔操作 -
第9回
iPhone
Mac mini Server/iPhone/Macで住所録を集中管理 -
第8回
iPhone
Mac mini Server/iPhone/Macでスケジュール共有 -
第7回
iPhone
Mac mini Serverでモバイルアカウント活用(利用編) -
第6回
iPhone
Mac mini Serverでモバイルアカウント活用(設定編) -
第5回
iPhone
DNSの設定を確認する -
第4回
iPhone
再インストールと初期設定のポイント -
第3回
iPhone
「モバイルアカウント」を活用する(準備編) - この連載の一覧へ