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ビジネスを彩る、省スペースPC 第4回

保証で比較する、企業向け省スペースデスクトップ

2010年07月07日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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デル「OptiPlex 780 USFF」

前面はシルバーのメッシュカバーを採用

分解して判明したが、80PLUSの最上位であるGOLD認証電源を搭載していた

専用の液晶ディスプレー、スタンドと一体化させた様子

 1世代前のCPUとはいえ、今でも十分な性能を持つCore 2 Duo E8600(3.33GHz)を搭載。アイドル時は23Wとトップクラスの省電力を実現しているのが魅力だ。

 専用の液晶ディスプレーとスタンドを用意すれば、一体型PCのように設置できる独自ソリューションも用意している。タイプMEと同様、不意の事故を保証してくれる「コンプリート・ケア」が用意されているほか、盗難補償も付けられるなど、サポートのオプションが充実しているのも特徴だ。なお、コンプリート・ケアと盗難保証を最長である5年間追加した場合は、プラス7140円となる。ただし、修理不能により全品交換となった場合は、その時点でサービス終了となる。


日本HP「Compaq 6005 Pro US/CT Desktop PC」

前面の下部が吸気口

前面、背面あわせてUSB2.0を10ポート搭載する

スタンドの前面に液晶ディスプレー、背面にPC本体を設置する。780 USFF同様に液晶ディスプレーの高さやチルト調節も可能

 AMD製CPUである、Athlon II X2 B24(3GHz)を搭載する省スペースPC。アイドル時、高負荷時ともにCPU温度は6製品中一番低かった。消費電力に関しては、アイドル時は27Wと第2位の省電力性を実現している。高負荷時は、Radeon HD 4200を搭載しているため72Wとなったが、CPUだけに負荷をかけた場合は、50W前後で推移していた。

 780 USFFと同様に液晶ディスプレーと一体化して使うためのオプションが用意されている。違いは、VESA規格に対応した液晶ディスプレーであれば、種類を問わずに利用できる点だ。液晶ディスプレーの選択肢を広げつつ、設置時のスペースを削減したい場合には大きなメリットになる。


レノボ「ThinkCentre M90z All-In-One」

液晶ディスプレーはマルチタッチ対応

本体背面にはアナログRGB出力などの映像出力端子、側面には光学ドライブなどを備える

従来の一体型PCとは違い、内部のメンテナンス性は優秀

 Core i5-650(3.2GHz)と、マルチタッチ対応のフルHDサイズ液晶ディスプレーを搭載する一体型PC。環境光に合わせて輝度を自動調節するセンサーやインテルのvProテクノロジーを搭載している。ただ、消費電力、CPU温度はアイドル時、高負荷時ともに最下位となってしまった。

 なお、レノボ製PCの保証面での特徴は、購入後4年間であれば、オプション保証を“後付け”できる点だが、M90zにはそれが用意されていないので注意したい。


エプソンダイレクト「Endeavor AT980E」

筐体カラーはホワイトで統一されている

DVI-D出力とアナログRGB出力を搭載。ただし併用はできない

内部が広い分、メンテナンス時はケーブリングしやすい

 CPUにグラフィックス機能を内包した最新のPentium G6950(2.8GHz)を搭載。アイドル時での消費電力、CPU温度ともに第3位となかなか優秀な成績で、コストパフォーマンスの高さも光る。

 タイプMEや780 USFFと同様に、不意の事故による保証制度も設けている。最長3年間の保証を追加した場合、プラス1785円となる。ただし、購入金額が全額保証されるのは最初の1ヵ月だけで、以降は毎月1/36ずつ減額する。


省スペースPCは臨機応変なIT投資を可能にする

 ここまで4回に渡って省スペースPCを調査してきたが、このカテゴリの製品でもっとも気になるのは、やはり設置時にどの程度スペースを消費するかだろう。

 その指標となるフットプリントでは、デルの780 USFFが幅65×奥行き236mm、HPの6005 Proは幅66×奥行き254mmと優秀で、幅広い机上環境に対応できると言えるだろう。前面吸気、背面排気という構造なので、吸気口を塞がないようにといったこともあまり気にしなくてすむ。

 そのほかの4機種は、780 USFFと6005 Proの2機種と比較すると大きい。しかしその分、HDDを2台搭載してRAID 1構成(ミラーリング)にしたり、グラフィックスカードを追加できたりと拡張性が高くなる。

 また、省スペースPCでは、業種や部門ごとに必要なサイズと解像度の液晶ディスプレー、要求スペックを満たしつつ机上に設置可能なPC本体を別々に導入できる。加えて、どちらか一方のスペックが陳腐化、故障してもノートPCのように丸ごと買い替える必要もないといった柔軟性も利点になってくる。これらのメリットが今後のIT投資削減につながる可能性はある。今、省スペースPCを選ぶ理由はそこにあるのではないだろうか。

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