LEDバックライト採用など、内容を一新!
さらに実力を高めたREGZA第二章「47Z1」の実力
2010年07月06日 12時00分更新
LEDバックライトの実力のほどは? 肝心の画質をチェック
いよいよ肝心の画質チェックだ。最大のポイントとも言えるLEDバックライトの画質が気になっている人は多いだろう。画質調整の詳細設定を見ると、「LEDエリアコントロール設定」が4段階(強/中/弱/オフ)選べる。
実際に切り換えてみると、信号入力のないまったくの黒画面では、「強」でLEDは消灯された。「中」、「弱」と切り換えると次第に暗部が光り始める。この状態が完全な黒を表示している状態となるわけだ。
暗室では「強」、間接照明などなら「中」、昼間や照明を使っているときは「弱」が推奨となる設定のようだ。なお、LEDエリアコントロールを行なわない「オフ」も選択できる。
本機はエッジライトのため、上下にしかLEDが配置されていないので、前モデルの「ZX9000」や「CELL REGZA 55X1」のような直下型LEDバックライトと異なり、明るさを調整するエリアの分割数はあまり多くはない。そのため、絶対的なコントラスト感などではZX9000と比べても数値上は少々不利になるだろう。
とはいうものの、画質を見ている限りコントラスト感の不足はほとんど感じない。プラズマテレビのような深く締まった黒とまではいかないが、夜のビル街のような映像を見ても、黒浮きを感じるようなことはほとんどなく、自然なコントラスト感が再現できている。絶対的な高コントラストを求めるなら、直下型LEDバックライトを気にするよりも、プラズマを選ぶといいだろう。
超解像技術「レゾリューションプラス4」は、新たに「自己合同性超解像」が加わった。これは、同じ模様が繰り返される部分などで、映像が似た部分を探し出して合成することで解像度を高める技術。先行してCELL REGZA 55X1で採用されていた技術を継承したものだ。
これによる効果だけではないだろうが、超解像処理はより自然になった印象。じっくりと比べるとディテールの情報量は増えているのだが、輪郭がにじむような不自然な強調感は随分減っている。とはいえ、「レゾリューションプラス」設定で最大の「+5」を選べば強調感が出てくるので、「01」~「05」の範囲でちょうどいいところを選びたい。また、設定では「カメラ撮像補正」も選べる。これはスポーツ中継の撮影などで、撮影した時点でブレている映像を補正して、よりクリアな動画にするものだ。
トータルでの画質について述べると、正直その完成度の高さに驚いた。LEDバックライトを採用したモデルの場合、コントラスト感は高いものの、色再現がややあっさり気味になる印象を感じていて、色についてはCCFLの方が豊かだったと感じることが多かった。REGZAの場合、もともと広色域を意識した濃厚な色再現を重視しない自然な画作りだったこともあり、色再現に不足は感じなかった。人の肌の色も健康的な色合いが再現されているし、微妙な色の変化もきちんと描き分けている。そのうえで、コントラスト感がさらに向上し、特に暗部のスムーズな再現が際立った。これは映画など再生では強力な武器になるだろう。
LEDバックライト自体は2世代目で、CELL REGZA 55X1でのトライもあって、ノウハウは十分にあるのだろうが、この完成度の高さは立派だ。CELL REGZAのような怪物級のモデルを除き、現実的に購入を考えられる価格のモデルとしては、初めてプラズマと同等の画質になったと実感したモデルだ。暗部階調の滑らかさなど、プラズマを超える部分もあるので、次に買うモデルはプラズマ一択というわけにはいかないと思わされた。
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