出版社は低廉なSlate端末の使い道を考えるべき
このように、それぞれの特徴を出して、そこに特化していくことで書店の未来は描けると考えている(もはや「書店」という呼び方が適切なのかも考えたほうが良いのかもしれないが)。
一方、途中で触れたSlate端末の低廉化については、もう一つ思うことがある。それは、出版社にとってもこれは大きな武器となるということだ。
オープンな仕様で展開されるAndroid OSは、無料のAdobe Digital Editionsと組み合わせることで、電子書籍端末の可能性も広げている。
連載第一回で、黒船の到来という風に書いたが、AmazonやiBooksをプラットフォームと選択しなくても、書籍コンテンツを直販できる仕組みが整いつつあると言えるだろう。
あくまで一例だが、出版社が特定の著者やレーベルを、自社ブランドのSlate端末専用に提供することで、流通コストを抑え、ゲリラ的に収益性の高いビジネスを展開するといった未来像もあるはずだ。
次回は、実際に電子出版に取り組むマンガ家にもインタビューし、その実践例を紹介したい。
著者紹介:まつもとあつし
![]() |
|---|
ネットベンチャー、出版社、広告代理店などを経て、現在は東京大学大学院情報学環修士課程に在籍。ネットコミュニティやデジタルコンテンツのビジネス展開を研究しながら、IT方面の取材・コラム執筆、ゲーム・映像コンテンツのプロデュース活動を行なっている。デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツマネジメント修士。著書に「できるポケット+Gmail」など。公式サイト松本淳PM事務所[ampm]。Twitterアカウントは@a_matsumoto
この連載の記事
- 第28回 テレビアニメの無許諾配信はDVDの売上に貢献する!?
- 第26回 ユーザー軽視?書店乱立 「日本型」に向かう電子書籍
- 第25回 覇権アニメ請負人ゆま氏「僕らにはカツカレーしか残されてない」
- 第24回 「ゴミ屑みたいな社員」(本人談)から、宣伝プロデューサーに
- 第23回 日本アニメは世界各国で負け始めている
- 第22回 京アニやシャフトが売ってるのは映像だけじゃない
- 第21回 元マッドハウス増田氏が指摘、アニメ海外進出を阻む2つの危機
- 第20回 電子書籍元年は幻だったのか? 現状を確認してみた
- 第19回 逆を目指す講談社『BOX-AiR』、掲載作すべてをアニメ化検討!?
- 第18回 ブラック★ロックシューターが打ち砕いたもの(3)
- この連載の一覧へ














