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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2010 第2回

知ったかできるパーツ基礎知識【ビデオカード編】

2010年04月20日 12時00分更新

文● G&D Matrix

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今ハイエンドを選ぶならDirectX 11対応製品

 新製品が出るたびに、我々メディアが悩むのは、クラス分けだ。一般には価格帯で分けるのが筋だろうが、割高な製品と割安な製品が存在し、特に価格帯が近い場合、その線引きには非常に迷うのである。もっと愚痴らせてもらうと「リネームモデル」という過去の製品のいってしまうと焼き直しのようなモデルが新ネーミングとなって発売されることも多い。
 例えばGeForceであれば、GTX 285からハイエンドと定義できるが、そうすると3万5000円以上をハイエンドとするのか、それとも新しいモデルに合わせて4万円以上をハイエンドとするのか、意見の別れるところだ(個人的にはハイエンドと定義したい)。とはいえ、DirectX 11に対応していないGTX 285をハイエンドと言っていいのか、という問題もある。そう考えると、2010年春時点でのハイエンドは、GTX 295、GTX 285を除く4製品となってしまうのだ。

ようやく登場したNVIDIAのDirectX 11対応ビデオカード「GeForce GTX 480」。流通量が少ないため、現在でも争奪戦状態となっている。写真は、inoo3Dの「N480-1DDN-K5HW」

「GeForce GTX 470」を搭載するGALAXY「GF PGTX470/1280D5 HDMI」。価格もハイエンドにしては手頃だ

ATI Radeon HD 5970を搭載し、数少ないOCモデルのSapphire「HD5970 2G GDDR5 PCI-E DUAL DVI-I/MINI DP OC VERSION」。現在最もパフォーマンスの高い製品の一つだ

DirectX 11に初めて対応した、ATI Radeon HD 5870。早くも名機の雰囲気が漂いつつある。写真はSAPPHIRE「SAPPHIRE HD 5870 1G GDDR5 PCIE DUAL DVI-I/HDMI/DP」

アッパーミドルレンジで選ぶならHD 5830がベスト

 さらに3万5000円以下は混沌しているが、NVIDIAはこのクラスにDirectX 11対応製品を用意していない。今のところDirectX 11対応ゲームは比較的重いため、最低限でもHD 5830がボーダラインとなる。つまり予算2万円前後であれば、HD 5830のがベストバイとなるだろう。

コストパフォーマンスに優れるATI Radeon HD 5830。人気のほうはイマイチながら、業界を中心に性能を評価する声は多い。写真は「SAPPHIRE HD5830 1G GDDR5 PCI-E DUAL DVI-I/HDMI/DP」

2万円以下で選ぶのは難しい
ゲームに特化するならGTX 260がオススメ

 続いて2万円以下だが、ゲームプレイを念頭におくのであれば、HD 5770よりも予算を上げてHD 5830を選ぶ方が幸せになれる。しかし、プレイするゲームがカジュアルでライトなものならDirectX 11対応に拘らず、DirectX 10.1対応でも十分。GeForce製品の場合、最上級でもGT 240であり、旧世代のGeForce 9600 GT程度のスペックしかない。そう考えると、Windows 7でのDirectX 10.1対応を捨てて、ゲームに注力するのであれば、GTX 260がベストな選択肢になる。反対に3Dアプリケーション以外の部分で選ぶなら、HD 5770が選択肢となるが、前述したようにどうせならHD 5830を選びたいところだ。

すでに発売から2年近く経ったGeForce GTX 260。新製品の登場はほとんどないものの、昨年11月にGPUクーラーを薄型にし1スロット仕様の製品も登場している。写真は現在入手不能の貴重モデル、GALAXY「GF PGTX260+/896D3 KATANA」

意外にもNVIDIAのDirectX 10.1対応製品の最上位はGT 240だったりする。3D性能はGeForce 9600 GT程度なので高解像度でなければ、ゲームはそれなりにプレイ可能。写真はGIGABYTEの「GV-N240D5-512I」

1万円以下で選ぶ

 1万円以下に何を求めるかで変わってくるが、GPGPUが使えてWindows 7の新機能を活かし、かつビデオ再生等が滑らかになればいいというスタンスに立つと、GT 240か、HD 5670あるいはHD 5570を選ぶことになるだろう。HD 5670/HD 5570はDirectX 11に対応しているものの、DirectX 11対応ゲームをプレイするには非力するぎるためあまりDirectX 11の恩恵を受けることができない。よってこのクラスを選ぶ場合は、純粋に店頭価格勝負で問題ない。
 さらに6000円以下となるGeForce 210やHD 5450だが、かなり軽いオンラインゲームならそこそこプレイできる程度。チップセット内蔵ややCPU内蔵に比べれば遥かに高性能ではあるが、その範囲は限定的であるため、メインPCのビデオカードとしては選びにくい。デイトレーダーなどで、マルチ画面を構成するための安価な製品向けといった程度だろうか。

写真はASUSTeK製の「EAH5670/DI/512MD5」。ATI Radeon HD 5670を搭載し、価格は1万円前後。ローエンドで選ぶなら候補になるだろう

写真はZOTAC「GeForce GT210 512MB DDR2」。GeForce 210を搭載し、価格は5000円以下で購入可能

 さて、今回は2009年~2010年4月までのビデオカード事情を振り返ってみた。やはりポイントは最新ゲームをプレイするかしないかだろうか。ゲームプレイ前提とそうでない場合の状況は全く異なるといえる。その後、RadeonにするかGeForceにするかは個人のお好み次第。お気に入りの1枚が見つかれば幸いだ。

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