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『アバター』を超える超大作『アリス・イン・ワンダーランド』

ワンダーランドの救世主、19歳のアリスはこんなにスゴイ!!

2010年04月16日 00時00分更新

文● 清水 豊

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『不思議の国のアリス』のその後
19歳に成長したアリスの物語――

 ディズニーが贈る映画『アリス・イン・ワンダーランド』が、4月17日(土)から全国ロードショーとなる。ジョニー・デップ×ティム・バートン監督という話題性もあり、全米でのオープニング3日間の興行収入は『アバター』をはるかに超える1億1630万ドル。歴代6位を記録している。

映画『アリス・イン・ワンダーランド』の一場面。19歳の戦うアリス/(C)Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

 3月22日に行なわれた、ジョニー・デップとティム・バートン監督による来日キャンペーンも大盛況。空港には1000人以上のファンが殺到し、恵比寿ガーデンプレイスで行なわれたファンイベントには、アリスが19歳という設定から、年齢が同じ女優の福田沙紀さん、谷村美月さんらも駆けつけた。

 この映画の元となったのは、言わずと知れたルイス・キャロルの児童文学。7歳の少女アリスが白いうさぎを追いかけているうちに落っこちてしまった穴の先は、不思議の国だった……。鮮明に細部を思い出せないまでも、子供の頃に読んだ記憶はあるのではないだろうか。角川つばさ文庫からは、イラストレーターokama氏の51点のかわいい挿絵を掲載した『新訳 ふしぎの国のアリス』も発売中である。映画の公開を前に、『不思議の国のアリス』をもう一度おさらいしておきたい人には、今一番おすすめのアリス本だ。

 『不思議の国のアリス』のアリスは7歳だが、映画では19歳。パーティー会場で貴族の求婚から逃げ出すように白うさぎを追いかけていくと、突然穴に落ちて異世界へ。自分が過去に訪れたワンダーランドは、実は聞き間違えで「アンダーランド」だったことがわかる。そこは残忍な「赤の女王」が支配する暗黒の世界。預言の書によると、どうやらアリスは世界を救う救世主らしい……。アンダーランドの住人たちに導かれて、やがてアリスは彼女の運命を大きく変える男・マッドハッターに出会う。

 アリスを演じるのは、オーストラリア出身のミア・ワシコウスカ。マッドハッターはジョニー・デップ。赤の女王はヘレナ・ボナム=カーター。赤の女王と王座を争う「白の女王」役にはアン・ハサウェイ。幻想的な世界観やユニークなキャラクターたちは、『不思議の国のアリス』とその続編『鏡の国のアリス』の設定を根底に置きながらも、映画では大幅にアレンジ。19歳のアリスが甲冑を着けて戦うというのも今までにない設定だと思う。

まさにティム・バートンの真骨頂。『不思議の国のアリス』の世界観をこれだけあざやかに表現できた媒体があっただろうか/(C)Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

 物語のカギを握るマッドハッターも、『不思議の国……』ではおかしなお茶会のシーンで登場するクレイジーな帽子屋だが、映画では多くの謎を秘めながらもアリスを一人前の勇者に成長させていく大きな役割を担う。『鏡の国……』に登場する赤の女王は、『不思議の国……』のハートの女王のエッセンスも取り入れており、映画では両作品をうまく融合させてひとつのストーリーを作り上げていることがうかがえる。

 CGで緻密に作り上げられた幻想的な世界の中で、甲冑を身にまとって戦うアリスはそれまでの幼少のイメージを覆すほど。ディズニー映画の新作としては初の3Dで、「ディズニーデジタル3D」と「IMAX 3D」が同時公開される。全体的に体を大きく動かすアクションシーンが多く、CG処理による背景とのマッチングも良好で臨場感は抜群。穴に落ちていくところで、岩が視聴者に向かって飛んでくる様子などは最初に見ると驚くのではないだろうか。

(次ページへ続く)

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