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日本HP、幅10cmの小型ワークステーション「HP Z200 SFF」

2010年04月08日 20時12分更新

文● ASCII.jp編集部

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念願の省スペース型ワークステーション

 一般に、性能を重視するワークステーションで、一般的にスリム筺体を採用している製品は少なく、一部の国内メーカーが取り組んでいるのみだ。世界でHPとワークステーション市場を二分するデルの製品ラインアップにもスリム筺体は存在せず、ニッチな領域とも言える。

Z200 SFFへの想いを語る岡氏。景気も回復の兆しを見せ、勝負の年という雰囲気だ

 「3~4年の本社との交渉の末、やっと市場投入できた製品。パフォーマンスと超小型の両立は厳しいが、日本には必要だと考えた」(日本HP 取締役副社長執行役員 パーソナルシステム事業統括の岡 隆史氏)というように、日本市場を強く意識した製品だ。

 また国内でも不景気が底を打ち、IT投資への機運が高まってきていること、2010年はWindows 7への移行が本格的に進むことなども、追い風になると考えている。

 「(各社の年度決算を見て分かる通り)予想よりいい。マーケットと経済はリンクしているが、昨年暮れごろからIT投資が戻ってきていると実感しており、PC/Workstation事業も予想を上回る数字で推移している」

 岡氏は、ビジネスPCの市場は、過去2年間連続で二桁のマイナス成長で、Vistaへの移行が進まなかったこともあり、企業向けPCでは、通常4年半程度の入れ替えサイクルが、5年、6年、7年……と大幅に伸びている顧客が多いと指摘。「(使う側もそろそろマシンを入れ替えないと)さすがに厳しいと感じている、好材料が多い中、HPとしても新製品投入で業界の中のポジションを固めたい」とした。


ワークステーション市場はデルとHPの二強体制に

日本HPパーソナルシステム事業統括 ワークステーションビジネス本部 本部長の小島 順氏は製品の特徴について紹介。ワークステーションの多様なニーズの広がりや、HPのグリーンに対する取り組みなどを紹介した

 ワークステーションの市場は、世界的にみるとデルとHPの二社でほぼ9割の占有率。モバイル分野などで強みを持つHPの躍進が目立つ。米HPから来日したジェフ・ウッド氏も「コンパックとの合併直後は30%ほど低いシェアだったが、2009年第4四半期は対前年比で2%のシェア向上し、通年でもトップに立つ見込み。ワークステーション市場を2分している」とコメントした。

 国内のワークステーション市場のシェアでも、HPは2年連続の首位に立っている。特に2009年は製造業のIT投資が冷え込む中、CADやCAMといった強みのある領域だけでなく、新しい分野へのワークステーション導入も積極的に提案してきた。同時にユーザーの事例の中から学ぶことも多く、医療分野、教育・自治体、SMBといった新たな領域での導入が進んでいる。

 例えば、医療用画像(CT/MRI)の分野では高いシェアを誇るHPだが、電子カルテなど新しいワークステーションの用途が生まれている。SMBの分野でも生産性と信頼性を高めるという理由でワークステーションの導入が進んでいるという。

 また、エントリーCADの分野では、設計事務所や工務店といった個人または小規模な事業所がターゲットとなる。設置スペースなどの関係から、これまではAutoCAD LTなどをPCで利用してきたが、こうした分野にもZ200 SFFが入り込む余地がある。

国内におけるHPのシェア

地域別でのシェア。日本が属するアジアパシフィック市場(APJ)でも、世界的に見ても45%に迫る高いシェアとなっている

 米国本社が日本を特に意識した省スペースワークステーションの製品企画にゴーサインを出したのも、こうした新しい領域の開拓を目指してのことだという。

 また、多業種への導入を視野に入れた際に重要になる要素として、土日祝日を含めた24時間サポートを導入する。流通業や医療関係の業種では、休日も稼働しているケースが多いためだ。

 このサポートは、ワークステーション標準保証として、4月下旬から既存ユーザーを含めた全Zシリーズユーザーに向けて提供されるとのこと(なお標準保証化に伴い、修理の電話受付を24時間から8時~21時に変更)。

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