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ENERMAX「PRO87+」シリーズ

ランドセル型ATXパワーユニット! 百式かっ!? 百式なのか!?

2010年04月10日 18時00分更新

文● 藤山 哲人

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Dynamic Hybrid Transformer Topology(DHT)

 ENERMAX社が言うには、世界初の新技術「Dynamic Hybrid Transformer Topology(DHT)」を採用とある。と言っても「ガソリンと電池で動くトランスフォーマー」のコンボイ隊長ってワケじゃない。最後の「トポロジー」をどう訳せばいいかが悩みどころだが、(負荷によって)「2つの周波数変換を動的に行うトランス」といったところだろう。トランスとは、電源内部で最も重要なAC100Vを3.3/5/12Vに変換する部品のことだ。

黄色いパーツが「ENERMAX PRO87+」に実装されているトランス。一番大きいのがメイントランスでAC100VからDC12Vに変換する。隣にあるのはサブトランスでスタンバイ時の5Vを供給するもの。もう1つは、おそらくAC100Vを昇圧するものと思われる

 通常の電源は、コンセントの100V交流電源をそのまま3.3/5/12Vに変換する。ところが「ENERMAX PRO87+」は、負荷が高くなる(だいたい60~70%以上)とコンセントの100Vを昇圧して安定した電力をトランスに供給するようになっている。このしくみがハイブリッドの1つだ。さらに昇圧した交流からトランスを経由して作られたPC用の直流電源も、負荷に応じて必要な電流のみを作るようにしている。コッチがハイブリッドのもう1つというワケ。

左は「ENERMAX PRO87+」の可変スイッチング周波数制御を行なっているもの。右は通常の電源

 通常の電源は、負荷に関わらず一定の周波数で12Vと0Vのパルス状の電圧を出力する。しかし「ENERMAX PRO87+」は、負荷の低いときには、120kHzと小刻みに電圧を出しパワーセーブしつつも、安定して電力を供給。負荷が高くなると100kHz、60kHzと周波数を変え必要なときに必要なぶんだけ安定した電力を供給するというしくみを持っている。これがDynamic Hybrid Transformer Topologyの正体なのだ。

低ESR電解コンデンサと固体コンデンサが安定化の要!

 さて先の説明で疑問に思うのが「0Vと12Vを繰り返すなら安定した直流じゃないじゃん!」というところだ。電源で最も重要なパーツはトランスと説明したが、それと同じぐらい大切なのがコンデンサと呼ばれるパーツ。マザーボードの売り文句でも頻繁に登場し、CPUの周りにはたくさんのコンデンサが乗っているので、その姿を目にした人も多いだろう。一昔前には、外国製のコンデンサがよく弾けたことでも有名だ。

現在はアルミ固体コンデンサが主流になりつつあるが、大容量のコンデンサは昔ながらの電解コンデンサが主流

 コンデンサの働きは、充電式の電池によく似ている。トランスから出力されたパルス状の電力は、いったんコンデンサに充電され、そこから必要な電力がPCに供給されるようになっている。つまり電池を充電しながら使っている状態というわけだ。PC用のスピーカーの電源を切っても、数秒間だけ音がなり続けたりするのは、コンデンサに充電された電力で、しばらくアンプの電力を供給できるため。このようにパルス状の電力でコンデンサに充電を行なっても、コンデンサから出力される電力は平滑化(直線状に安定)した状態になる。
 トランスがいくら素晴らしいものでも、コンデンサがショボかったり、劣化するとうまく平滑化できず、パルスがそのまま出力され「ブ~ン」と発振した電源となる。コンデンサは電源にとって非常に重要なパーツなのだ。

100V側に使われているルビコンの巨大コンデンサ

12V側に使われている日本ケミコンのコンデンサ

電解コンデンサに加えてアルミ固体コンデンサも併用し、より安定化を図っている

 「ENERMAX PRO87+」では、超重要なコンデンサとして、マニアに一番信頼性のあるメーカーとして有名な日本ケミコンの電解コンデンサやルビコン製のものを採用している。これに固体アルミコンデンサを加え、より安定した電力を供給している。

(次ページへ続く)

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