このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ

鉄道ファン驚愕! 世界初、583系PCケース【後編】

2010年05月23日 20時00分更新

文● 藤山 哲人

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 前回はデザインと穴あけ加工、そして下塗り処理をしたが、ここからが本番の塗りわけ作業だ。マスキングしてはペイント、乾燥させてマスキングを外し、色漏れなどがあったらリカバリーを繰り返すイバラの道が続く。記事にして見ちゃうと短時間でできそうだが、クリームにブルーという塗りわけの583系でも、実際には3日間ぐらいかかっている(好きだから作ってるようなモンで、原稿量・作業量に対するギャラは見合わネーっす)。
 そして特急の命であるヘッドマークの製作。これはパソコンでチョチョイとできちゃうので簡単だ。ラストはヘッドライトなどの電装系を実装して完成だ。
 後編の今回は、完成まで一気にご紹介!

特急の命であるヘッドマークの製作。そしてヘッドライトなどの電装系を実装すれば完成だ

本番の色を乗せて583系っぽくカラーリングしていこう!

 カラーリングの基本は、薄い色から順に濃い色を上塗りしていくこと。面倒でなければ、上塗りではなくマスキングをして塗り分けてもいい。まずはベースとなるクリーム色だが、市販のスプレー缶のクリーム色を塗る。鉄道模型用の「国鉄クリーム×号」というスプレー缶もあるが、小さい上に高く、売ってる店も限られているので、DIY店で売ってるクリーム色でOK。

キャップをなくしちゃったケド、市販のクリーム色のスプレーでOK。今回使ったのは、カンペパピオ製のアクリル シリコン スプレーだ。面積が広いので大きな420ml缶を使おう

PCケースのコネクタやらファン類をすべて外してからペイントすること。写真はフロントパネルだけだが、本体にも塗る

 次に583系の象徴となるブルーを塗る。塗り分けの基本となるので、見た目でマスキングをするより、設計図をプリンタで出力して型紙を作るといいだろう。まず設計図を出力したら、図面全体にリップのりなどを塗って、その上に「養生マスカー」というものを貼り付ける。

紙だとペンキが染み込んで裏うつりするので、ビニールのマスカーを貼っておこう

 養生マスカーは、スーパーなどにある肉や魚のパックを入れる薄いビニールをマスキングテープに貼り付けたもの。ピーッとマスキングテープを外すと、その長さだけビニールも一緒にくっ付いているので、幅の広い部分をマスキングするのに便利なアイテムだ。
 あとは設計図に合わせて、マスカーごとカッターで着色部分を切り抜いてマスクパターンを作ろう。

黒に見えているところがブルーに塗る部分。ここでは下半分にしかマスカーをしていないが、実際にペイントするとにき上半分もマスキングする。

 マスクパターンをフロントパネルに当てて、だいたいの位置を決めたら、いったん外してマスクパターンの裏(紙側)にリップのりを塗っていく。とくにマスクの境目になる部分は、しっかりノリを塗ること。ノリをつけたマスクパターンを再びフロントマスクに当て、プラスチックに密着させるようにする。

できるだけプラスチックに密着させること。隙間があると塗料が染み込んでしまう

マスクパターンの固定にもマスキングテープを使うといい

 紙の余った部分やマスカーの余分は、パネルの裏側にまわしてマスキングテープで仮止めする。写真では下半分しかマスキングしていないが、実際にスプレーするときは上部も養生マスカーでマスキングするのを忘れないように。これでペイントの準備が整った。
 あとは市販のブルーのスプレーを2、3回に分けて徐々に色を濃くしていき、最後にマスクパターンをていねいにパネルから剥ぎ取ろう。

マスクパターンの紙がくっ付いてても問題なし! 塗料が乾いたら水洗いして簡単に取れる

 プラスチックに紙を張ったとはいえ、部分的には紙がピッタリ接着されてしまっている部分もあるが、とくに気にしないでいい。塗料が乾いたところで、ぬるま湯でフロントパネルを水洗いすればノリが溶け出し、くっ付いている紙もキレイに外せるからだ。

乾燥したら水洗いすれば、表面についたノリや紙も簡単に落とせる。洗ったあとは、タオルでよく拭かないと水滴の模様が付いてしまうので注意しよう

 マスクパターンが浮いていたりすると、塗料が少しはみ出してしまう場合がある。

ヤッちまったー! でもカッターの背を使って削り取れるから心配なし!

 はみ出した部分は程度によって、次のようにリカバリーするといいだろう。

下の写真のように霧状に滲んでしまった場合

 カッターの刃の背を使って、はみ出た部分を軽く削り取る。力を入れすぎると、下地のクリームまで剥がれてしまうので、女の子に触るように、ソフトタッチするのがポイント

霧状の漏れは、カッターの背を使って削り取る

塗料の液体が滲んでしまった場合

 先と同様にしてある程度まではみ出た塗料をこそげ落とす。ただ液体状に滲んでしまと、下地のクリームの塗料が溶け出してしまっているので、完全に取りきれない場合がある。こんなときは、細い筆(面相筆)を使ってはみ出た部分を上塗りする。このときのポイントは、筆ではみ出た色をこすらないこと。筆に塗料を含ませて、ポンポンと点状に塗料を乗せていくと下地の色が溶け出さないようにペイントできる。

幅が広い場合は平筆、狭い場合は面相筆(極細)を使って、塗料ををはみ出た部分に「盛って」いく。筆を動かして塗らないのがポイント

(次ページへ続く)

前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中