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次世代を支えるシャープのLED技術(前編)

LED電球の現在~シャープはなぜ取り組むか?

2010年03月30日 17時30分更新

文● 秋山文野、遠藤諭、写真●鉄谷ヤスヒロ

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私はナゼLED電球を使うのか?

 私は、電球については少しばかりうるさい。

 その誕生の経緯について興味を持って、『あっ、発明しちゃった!』(アイラ・フレイトウ著、西尾操子訳)なんて本を企画したこともある。

 エジソンの前に、世界中に電球の発明者は1ダースほどいるのである。

 さらにいうと、私自身の手で電球を作ってしまったこともある。

LED電球には一家言ある遠藤諭が2回に分けてシャープのLED技術に迫る

 都内にある手作り電球の会社で、自分の手でフィラメントを練ってα字型にして、ガラスの玉の中に口金で封入した。ちなみに、LED電球でも、その口金の部分には「E26」などいう規格名が書かれているが、その「E」は、エジソンの名前から取られているものだそうだ。

 ことほどさように電球については、いろいろ言いたい私だが、LED電球がこんなものとは思っていなかった!

 電球の明るさや色などを選べるし、虫が寄ってこないものとか、室内で植物を育てるのに最適な製品とか、自分好みの電球色や明るさを赤外線リモコンで調整できてしまうものまである。

 あまり知られていないと思うが、フィラメントなどの発光と違って、LEDから発せられる光は直進性が高い。そこで、その光を適度に散らすことになる。それでも十分な明るさを確保する電球が、お買い得の電球ということになる。

 光を散らす技術に関しては各社が知恵を絞って研究を重ねている。シャープのLED電球には、AQUOSで培った液晶バックライトの技術が用いられていると聞いて、がぜん興味が出てきた。そこで企画したのが今回のLED企画だ。

 家の照明を10年間もラクラクで使えてしまうLED電球にしてみると、なんだか、いままでのフィラメント式の白熱電球が、まるでロウソクの火みたいに頼りないものに思えてくるから不思議である。しかも、LED電球のほうが人間に合わせて自らの光を調整する。

 ここでは前編と後編の2回に分けて、いまホットなLEDの世界に迫る。まずはLEDが変える次世代の照明について見ていこう。

(アスキー総合研究所 所長 遠藤諭)

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