外部機器からの音楽取り込み機能が充実
最後に録音機能を見ておこう。録音形式はリニアPCM(WAV)とMP3のいずれかで、リニアPCMは16bit/44.1kHzでの録音が可能。MP3選択時はビットレートを32/64/128/192/320kbpsのいずれかを選択できる。
録音する状況に合わせて最適な設定で録音できる「新・録音シーンセレクト」機能も搭載している。録音シーンとして用意されているのは、「口述」「会議・講義」「ヘッドホン」「ポータブル」「コンポ」の5種類。
ヘッドホンとポータブル、コンポの各モードは、マイクを使って録音するのではなく、外部機器とケーブルで接続して音楽を録音するのに最適化されたモードだ。さらに無音状態を検出してファイルを分割する機能も用意されているなど、外部機器の音楽を取り込むための機能は充実している。
もちろんマニュアルでの設定も可能で、レベルメーターとピークランプを利用して60段階の調整が可能となっている。そのほか、指向性切り換え(ステレオ/ワイドステレオ)や、300Hz以下の音をカットして空調音や風切り音を低減する「ローカットフィルター」機能も利用できる。
一般的なICレコーダーとしての用途であれば、ICR-XPS01MFはまず不満のない録音機能を備えている。ただ、さらに機能を求めるのであれば、同じシリーズの上位モデル「ICR-XPS03MF」も検討したい。
両者の大きな違いはマイク部分で、マイク2基のICR-XPS01MFに対し、ICR-XPS03MFはステレオ+モノラルズームの3基構成となっているところ。たとえば講演会など話者の位置が遠い場合に、モノラルズームマイクが搭載されているメリットは大きいだろう。
ICレコーダー市場の新たな起爆剤となるか
ICレコーダー/リニアPCMレコーダーの今後の展開としては、マイクをはじめとするアナログ系パーツの高性能化、そして多マイク化といった方向性に進むと思われる。ただ、ビジネスユースで考えると、現状の製品でも十分に満足できるだろう。つまりジャンル的には、かなり落ち着きつつあるというわけだ。
こうした中で、新たに音楽を楽しむという方向性を打ち出したICR-XPS01MFの存在感は際だっている。ICレコーダーと携帯型オーディオプレーヤーは似て非なるものだが、気軽に持ち運んで興味のある音に出会ったら録音、という使い方は意外とアリかもしれない。
このICR-XPS01MFが市場に受け入れられればICレコーダー市場も新たな盛り上がりを見せるのは間違いないだけに、要注目の1台と言えるだろう。
■Amazon.co.jpで購入
この連載の記事
-
第95回
AV
映像を見ながらコミュニケーションを楽しむ「RZタグラー」 -
第94回
AV
録画番組の視聴スタイルを変えるAndroid端末「SV-MV100」 -
第93回
AV
HD動画もスムーズ!? 「iPad 2」のAV機能をチェック -
第92回
AV
ガツンとくる重低音ヘッドフォン 気になる3機種をチェック! -
第91回
AV
電車の中でも気軽に作曲! iPhone用シーケンサを試す -
第90回
AV
カメラ機能を愉快に使う! 特選Android用カメラアプリ -
第89回
AV
iPad版「Garage Band」で気軽に音楽制作! -
第88回
AV
iOS 4.3に組み込まれたホームシェアリングを試す! -
第87回
AV
編集機能が大幅強化! 生まれ変わった「TMPGEnc」 -
第86回
AV
Androidスマホは万能動画プレーヤーになれるのか!? -
第85回
AV
iPhoneより便利? Androidの音楽再生環境をチェック! - この連載の一覧へ