デスクトップに負けず紛らわしい
モバイル向けCore i7/5/3とコード名の関係
モバイル(ノート)向けCPUについても、大筋はデスクトップ向けと変わらない。ただしCore 2に関しては、クアッドコア製品は消費電力や発熱の問題で後期にごくわずかに出ただけであり、すべてPenrynで統一されている。
NehalemベースCPUも、Bloomfieldの構造はモバイル向けには適さないこともあってか、アーキテクチャー的にはLynnfieldと同じ「Clarksfield」と、Clarkdaleと同じ「Arrandale」のみである。ところがこのArrandaleがCore i3/i5/i7というすべてのラインナップに展開されているので、非常に紛らわしいことおびただしい。
インテルモバイルCPUのコード名一覧
アーキテクチャー コード名 |
製造プロセス | 製品コード名 | 製品 |
---|---|---|---|
Penryn | 45nm | Penryn | Core 2 Extreme X9000番台/QX9300 |
Core 2 Quad Q9000番台 | |||
Core 2 Duo T6000番台/T8000番台/T9000番台 | |||
Core 2 Duo P7000番台/P8000番台/P9000番台 | |||
Core 2 Duo SL9000番台/SP9000番台/ SU9000番台 |
|||
Core 2 Solo ULV SU3000番台 | |||
Pentium T4000番台 | |||
Celeron 900/SU2300/T3000番台 | |||
Celeron M ULV 700番台 | |||
Nehalem | Clarksfield | Core i7-720QM/820QM/920XM | |
Westmere | 32nm CPU +45nm GPU |
Arrandale | Core i7-600番台 |
Core i5-430M/500番台 | |||
Core i3-300番台 | |||
Sandy Bridge | 32nm | N/A | N/A |
Silverthorne | 45nm | Silverthorne | Atom Z500番台 |
Pineview-M | Atom N450 | ||
Lincroft | N/A |
ちなみにAtomは、「Silverthorne」のコード名で「Atom Z5xx」シリーズを展開した。この後継であるネットブック向けの「Pineview-M」は2009年12月に登場。MID向けに特化した「Lincroft」については、試作機の展示などが行なわれており、2010年前半に製品が投入されると思われる。
接頭詞までついて名前だけではわからない
Xeonの製品名とコード名
最後にサーバー向けである。こちらは元々、以下のような型番が使われている関係で、コード名と製品は当初から入り乱れている。
- MPサーバー(4プロセッサー以上:Xeon MP)は7000番台
- DPサーバー(2プロセッサー:Xeon DP)は5000番台
- UPサーバー(1プロセッサー:Xeon UP)は3000番台
さらに、動作電圧や性能に応じて、頭にL/W/X/Wといった接頭詞まで付いているので非常にわかりにくい。
- L:低消費電力版
- TDPが65W以下が目安。
- E:標準性能版
- 標準消費電力版。TDPが80~90Wが目安だが、これ未満でもEをつけている製品がある。
- X:高性能版
- 高消費電力版。TDPがEよりやや高いもので、95W程度が目安。
- W:ワークステーション向け
- 結果的に最高消費電力版となっており、TDPが100W以上。
インテルサーバーCPUのコード名一覧
アーキテクチャー コード名 |
製造プロセス | 製品コード名 | 製品 |
---|---|---|---|
Penryn | 45nm | Wolfdale | Xeon E3000番台/E5200番台 |
Xeon L3000番台/L5200番台 | |||
Xeon X5200番台 | |||
Yorkfield | Xeon L3360/X3300番台 | ||
Nehalem | Nehalem-EP | Xeon E5500番台/L5500番台 | |
Xeon W5500番台/X5500番台 | |||
Lynnfield | Xeon L3426/X3400番台 | ||
Jasper Forest | Xeon EC3539/EC5500番台 | ||
Xeon LC3500番台/LC5500番台 | |||
Celeron P1053 | |||
Westmere | 32nm | Westmere-EP | N/A |
Sandy Bridge | N/A | N/A |
また最近は、通信向けを示す「C」なんてものも登場してきており、さらにわかりにくくなっている。表でわかるとおり、XeonにはいまやWolfdale(Core 2 Duoベース)/Yorkfield(Core 2 Quadベース)/Nehalem-EP(Core i7-9xxと同じ構造)/Lynnfieldの4種類が混在している。さすがにClarkdaleベースの製品は存在しないが、その代わりつい先日には、「Jasper Forest」ベースの製品が投入されている形だ。
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