あっけないほどカンタン、そしておそらく高速
それでは、DivX TVで何ができるのか? インターフェースを見てみよう。
デモのGUIでは左側に映像・音楽・写真、ホームサーバー(DLNA)……などメディアの種類が表示されており、リモコンの左右ボタンで階層をたどっていくだけの非常にシンプルなインターフェースになっていた。あっけないほどシンプルである。
その下には3種類のウィジェットが配置されており、RSSなどを使って天気予報や株価などインターネット上の情報を表示する。一覧性も高く、見たいメディアにスピーディーにアクセスできる。パソコン上でのデモではあるが、レスポンスも軽快。ICチップの機能を利用するため、実際の製品に搭載する際にも同等の性能が得られるようチューニングするという。
Roxio CinemaNowのサイトにアクセスして映画を観てみる。ハイビジョン配信で画質的にも一般的なテレビ放送と遜色ない。チャプター再生などの機能は持たないため、パッケージメディアよりはシンプルだが、バッファリングがうまく機能しているのか、早送り/巻き戻しなどもストレスなく追従する印象だった。
なお決済方法や認証方法についてはコンテンツプロバイダーが決める。クレジット決済が基本になるという。アカウントはパソコンなど、別のメディアと共通化することも可能で、過去に購入したコンテンツの履歴などをパソコンや携帯端末、テレビなどメディアをまたいで視聴できる。
配信形式としては、テレビにはローカルのストレージがないため、現状ではストリーミングのみに対応している。ただし、メタデータを使って再生履歴を共有できるので、パソコンで途中まで観た映像を、テレビで続きからみる(レジューム再生)ことも可能になるという。
スカパーなど、日本の有料放送ではSTBごとに課金されることがある。別室にあるテレビなどでも、同じアカウントでシームレスに観られるという点は利便性が高いように感じる。
DivX PlusのHD動画を基本に認証プログラムを設定
コーデックに関しては、認証プログラムがあり、それに準拠していることが必要。デモではDivX Plus(H.264)が用いられていたが、FLVなどについても、テレビ側が用意してあれば再生可能になるようだ。
無料放送を提供したいコンテンツプロバイダー向けに、広告を表示することも可能になっている。バナーの脇からCM動画を見せ(実際にはリモコンの特定のボタンを押させるなど1プッシュで飛べる仕組みになる)、そこからサイトへ誘導するといった導線があるので、一般的なCMよりは効果が得やすいかもしれない。「テレビの中でここまでできる広告はないのではないか」とDivXの担当者は話していた。
DivX TVのビジネスモデルとしては、セットメーカーへのライセンス料が基本となる。また、コンテンツの収入に応じたペイバックや広告収益なども考えているという。コンテンツ提供メーカーについては上述したCinemaNowのほか、CBSなど大手ニュースメディアも含まれている。ヨーロッパや国内向けのサービスも順次用意していく予定で、LG以外のセットメーカーの反応もいいという。
DivX TVはテレビだけでなく、Androidのような携帯端末でも視聴できる。1月に入って、DivX Plus対応のコーデック開発で東芝とDivXが提携するリリースなどもあったが、2010年にDivXがどういう動きを見せてくるかは注目だ。