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2010 International CESレポート Vol.4

レノボ担当者に直撃! 新ThinkPadとSmartBookの秘密

2010年01月11日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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リラックスタイムには「分離」して使うノート
IdeaPad U1 Hybrid

IdeaPad U1 Hybrid

「IdeaPad U1 Hybrid」。一見、単なるラウンドシェイプのノートパソコンに見えるが、分離・合体機構を備えた変わり種である

 最後に紹介するのが「IdeaPad U1 Hybrid」だ。こちらは基本的にCULVタイプのノートパソコン。バッテリー駆動時間が5時間で、128GBのSSD搭載、HDMI出力可能、重量が1.7kgなど、スペック的にそこそこ魅力的な存在ではある。だが、それはこの製品の本質のほんの一部にしか過ぎない。

ベック氏「CLUVノートですから、PCとしての機能はフルフィーチャーで持っています。ですがその能力は、日々の仕事のためには必要なものですが、ソファーに座ってリラックスするときや、カフェでお茶を飲んでいる時には不要です」

「というわけで、U1はディスプレー部が外せるようになっています。ディスプレー部は単独で、2点認識タイプのタッチセンサー内蔵のタブレット型デバイスになっています。実は、中身はSkylightと同じくSnapdragonベースのSmartBook。OSもSkylightベースです」

U1の「タブレット部」を分離した状態

U1の「タブレット部」を分離した状態。重量は750gと軽く、ウェブやメールのチェックなら十分に使える

ベック氏「ただしキーボードがないので、タッチスクリーン動作に特化させています。例えば、音楽ファイルを指でドラッグ&ドロップして再生したり、左右にスワイプして画面を切り替えたりできるわけです」

「バッテリーはタブレット部とPC本体の両方に搭載されていて、それぞれ別々に動かすこともできます。タブレット部だけでも8時間動作します。PC側はタブレットを外した時には、HDMI出力で外部ディスプレーに接続すれば、そのままPCとして使えます」

分離した「PC部」。ディスプレー側には湾曲した透明なプラスチック・バーが残るようになっている。普段はラッチで両者が組み付けられているので、意図せず外れることはない、という

U1の操作画面は、指での操作に最適化されたものになっている

U1の操作画面は、キーボード内蔵のSkylightと若干異なり、指での操作に最適化されたものになっている。だが、バーチャルキーボード以外の機能はほぼSkylightを踏襲しており、設計思想も似ている

 Skylightが「そのまま持ち歩くSmartBook」だとすれば、U1は「オンタイムはPC、オフタイムはSmartBookと切り替えるマシン」である。SmartBook部の設計はかなり共通化が進んでいるため、このような設計が可能なのだろう。ちなみにタブレット時の重量は約750gと、やはりSkylightに近い。

 気になるのは、PC部とタブレット部で、どのようにデータをやりとりするのか、という点だ。

ベック氏「現在は、ウェブブラウザーのヒストリーだけが同期されます。データのやりとりはネットストレージやUSBメモリー中心になるでしょう。しかし改良は進めていますので、ほかのデータも同期できるようになるかもしれません」

 タブレット型というと、どうしても今回のCES 2010では「電子ブック用途」に注目があつまりがちだ。この製品もそういう使い方ができるし、そういう目で見る報道陣も多いようだが、レノボとしての狙いは、「生活の隙間をSmartBookで埋める」というニーズにあるのだろう。PC部とタブレット部のデータ連係にはまだ不満も残るが、機能面ではまさにIdeaPadとSmartBookの間をつなぐ存在、といって良さそうだ。

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