リラックスタイムには「分離」して使うノート
IdeaPad U1 Hybrid
最後に紹介するのが「IdeaPad U1 Hybrid」だ。こちらは基本的にCULVタイプのノートパソコン。バッテリー駆動時間が5時間で、128GBのSSD搭載、HDMI出力可能、重量が1.7kgなど、スペック的にそこそこ魅力的な存在ではある。だが、それはこの製品の本質のほんの一部にしか過ぎない。
ベック氏「CLUVノートですから、PCとしての機能はフルフィーチャーで持っています。ですがその能力は、日々の仕事のためには必要なものですが、ソファーに座ってリラックスするときや、カフェでお茶を飲んでいる時には不要です」
「というわけで、U1はディスプレー部が外せるようになっています。ディスプレー部は単独で、2点認識タイプのタッチセンサー内蔵のタブレット型デバイスになっています。実は、中身はSkylightと同じくSnapdragonベースのSmartBook。OSもSkylightベースです」
ベック氏「ただしキーボードがないので、タッチスクリーン動作に特化させています。例えば、音楽ファイルを指でドラッグ&ドロップして再生したり、左右にスワイプして画面を切り替えたりできるわけです」
「バッテリーはタブレット部とPC本体の両方に搭載されていて、それぞれ別々に動かすこともできます。タブレット部だけでも8時間動作します。PC側はタブレットを外した時には、HDMI出力で外部ディスプレーに接続すれば、そのままPCとして使えます」
Skylightが「そのまま持ち歩くSmartBook」だとすれば、U1は「オンタイムはPC、オフタイムはSmartBookと切り替えるマシン」である。SmartBook部の設計はかなり共通化が進んでいるため、このような設計が可能なのだろう。ちなみにタブレット時の重量は約750gと、やはりSkylightに近い。
気になるのは、PC部とタブレット部で、どのようにデータをやりとりするのか、という点だ。
ベック氏「現在は、ウェブブラウザーのヒストリーだけが同期されます。データのやりとりはネットストレージやUSBメモリー中心になるでしょう。しかし改良は進めていますので、ほかのデータも同期できるようになるかもしれません」
タブレット型というと、どうしても今回のCES 2010では「電子ブック用途」に注目があつまりがちだ。この製品もそういう使い方ができるし、そういう目で見る報道陣も多いようだが、レノボとしての狙いは、「生活の隙間をSmartBookで埋める」というニーズにあるのだろう。PC部とタブレット部のデータ連係にはまだ不満も残るが、機能面ではまさにIdeaPadとSmartBookの間をつなぐ存在、といって良さそうだ。