インテル(株)は8日、32nmプロセスで製造される「Coreプロセッサー」のデスクトップ/ノートパソコン向けCPU 17種類と、対応チップセットなどを一斉に発表した。搭載製品も各社から発表されているほか、デスクトップ向けCPUはすでにパーツショップ店頭で販売されている(関連記事)
今回発表されたCPUは、すでに出荷されているCore i7-900番台や800/700番台、Core i5-600番台などと同様の、「Nehalemマイクロアーキテクチャー」を採用したもので、デスクトップ向けは「Clarkdale」、ノート向けは「Arrandale」のコード名で呼ばれていたものとなる。
CPUアーキテクチャー自体は、すでに発売済みのデスクトップ向けCore i7/5と同様で、Core 2 DuoなどのCoreマイクロアーキテクチャーに改良を加えたものとなる。物理コア数は2個だが、全CPUがハイパースレッディングテクノロジー(HT)に対応し、OSから見える論理コア数は4個となる。この点は、HTに対応しないデスクトップ向けCore i5-750とは異なる。
大きな特徴としては、32nmプロセスで製造されるCPUコアと、45nmプロセスで製造される「グラフィックス機能(GPU)+メモリーコントローラー部」を、ひとつのCPUパッケージ内に搭載するという特徴を備える。GPU部分は「Intel HD Graphics」と呼ばれ、DirectX 10対応の3Dグラフィックス機能、BDなど動画再生支援機能を持つ。CPUとGPU+メモリーコントローラーは、シリアルバス「QPI」(QuickPath Interconnect)により接続される。一方でCPUとチップセットの接続は、Intel 4シリーズチップセットでもチップセット間接続に使われていた「DMI」と、映像出力用の「FDI」を使用する。
デスクトップ向けの新CPUはメインストリームからエントリーを、ノート向けはハイエンドからエントリーまでのセグメントをカバーする。これにより、従来Core 2 Duo/Quadプロセッサーがカバーしていた分野はほとんどが新しいNehalem世代のCPUに置き換わることとなる。
発表されたCPUの一覧は以下のとおり。なお価格は、OEM向け1000個受注時の1個あたりの価格である。
デスクトップ向けCPU
CPUクロック/ターボブースト最大 | 物理コア/HT | 3次キャッシュ | メモリー | GPUクロック | 価格 | |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i5-670 | 3.46GHz/3.73GHz | 2/4 | 4MB | DDR3-1333 | 733MHz | 2万5800円 |
Core i5-661 | 3.33GHz/3.60GHz | 900MHz | 1万7800円 | |||
Core i5-660 | 733MHz | 1万7800円 | ||||
Core i5-650 | 3.20GHz/3.46GHz | 1万5990円 | ||||
Core i3-540 | 3.06GHz/なし | 1万2080円 | ||||
Core i3-530 | 2.93GHz/なし | 1万260円 |
デスクトップ向けCPUは、Core i5-600番台とCore i3-500番台の2シリーズ、6種類がラインナップされた。コア数やHT(論理コア)数、共有3次キャッシュサイズ、対応メモリースピードは等しい。Core i5とCore i3の大きな違いは、自動オーバークロック機能「ターボブーストテクノロジー」への対応/非対応となっている。
ノート向けCPU
CPUクロック/ターボブースト最大 | 物理コア/HT | 3次キャッシュ | メモリー | GPUクロック | TDP | 価格 | |
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Core i7-620M | 2.66GHz/3.33GHz | 2/4 | 4MB | DDR3-1066 | 500~766MHz | 35W | 3万160円 |
Core i5-540M | 2.53GHz/3.06GHz | 3MB | 2万3350円 | ||||
Core i5-520M | 2.40GHz/2.93GHz | 2万3350円 | |||||
Core i5-430M | 2.26GHz/2.53GHz | 未公表 | |||||
Core i3-350M | 2.26GHz/なし | 500~667MHz | 未公表 | ||||
Core i3-330M | 2.13GHz/なし | 未公表 |
Core i7-640LM | 2.13GHz/2.93GHz | 2/4 | 4MB | DDR3-1066 | 266~566MHz | 25W | 3万160円 |
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Core i7-620LM | 2.00GHz/2.80GHz | 2万7250円 |
Core i7-640UM | 1.20GHz/2.26GHz | 2/4 | 4MB | DDR3-800 | 166~500MHz | 18W | 2万7710円 |
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Core i7-620UM | 1.06GHz/2.13GHz | 2万5250円 | |||||
Core i5-520UM | 1.06GHz/1.86GHz | 3MB | 2万1890円 |
ノート向けCPUはTDP(熱設計時消費電力)別に、通常電圧版の「~M」、低電圧版の「~LM」、超低電圧版の「~UM」に分かれている。シリーズとしては、Core i7-600番台、Core i5-500/400番台、Core i3-300番台の3シリーズに分かれる。物理コア/HT数はいずれも2個/4個。共有3次キャッシュサイズはCore i7のみが4MBで、Core i5/3は3MBとなっている。Core i3がターボブーストに対応しないのはデスクトップと同様だ。また消費電力低減のために、GPUのクロック周波数も動的に変更される。