このページの本文へ

これからはワークステーションも持ち歩き!

Core i7 Extreme搭載!贅を尽くしたデルのWS「M6500」

2010年01月05日 08時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

2009年12月にデルから発表された「Dell Precision M6500」(以下、M6500)は、最新のCore i7をいち早く投入したモバイルワークステーションのハイエンドモデルだ。ネットブックの対極となるリッチなスペックを持つM6500の魅力を、デルでワークステーションを担当する堀内朗氏に聞いてみた。

持ち歩けるワークステーションの存在意義

デル株式会社 ラージエンタープライズ マーケティング ジャパンマーケティング本部 クライアントソリューション・フィールドマーケティングマネージャ 堀内朗氏

 CAD/CAMやビデオ編集を行なうワークステーションというと、巨大なタワー型筐体というイメージが強い。しかし、近年持ち歩けるモバイルワークステーションが登場し、年々その割合を拡大しているという。「現在、デルではワークステーションのうち、約25パーセントくらいがモバイル型です。ネットブックと違って価格競争になりにくいので、今後デルとしてもきちんと伸ばしていきたい分野です」(堀内氏)という。持ち歩けるモバイルワークステーションは、社内でのコラボレーションや客先へのプレゼンテーションなどに最適だ。

 デルではこれまで14.1インチ液晶搭載の「M2400」、15.4インチ液晶搭載の「M4400」など、Core2 Duoベースのモバイルワークステーション製品のほか、17インチ液晶搭載の「M6400」を展開してきた。そして、12月15日に発表されたのが、M6400の後継にあたる「M6500」である。

M6500では鮮やかなオレンジの天板も用意されている

モバイル筐体に
高性能なパーツを凝縮

 モバイル型とはいえ、M6500はハイエンドモデルだけにパフォーマンスに大きく注力している。CPUはモバイル系CPUの最高峰といえるIntel Core i7-920XM Quad Core Extremeに対応し、Core2 Duoを採用する他のモデルに差を付けた。また、DDR3 1600MHz対応のメモリを最大16GBまで搭載することができるほか、ストレージに関してもSSDやHDDなどを3台まで格納可能。まさに「これでもか!」という潤沢なリソースをノート型筐体に詰め込んだ。

Core i7-920XM Quad Core Extremeに対応するM6500の銀天板モデル

専用テンキーやトラックパッドを装備する余裕のある作り

 ワークステーションのキモとなるグラフィックに関しても、128のCUDAコアを持つ「nVIDIA Quadro FX 3800M」や「ATI FirePro M7740」などの採用により、高いパフォーマンスを実現した。また、AdobeRGB対応のディスプレイを搭載するほか、ビデオや映像編集で重要なAvid/Digidesign Tier1認証や、CAD/CAM、クリエイティブツールをはじめとする95のアプリケーション、35の主要ISVによる認証にも力を入れた。モバイルとはいえ、ワークステーションだけにこうした部分はしっかり押さえたいポイントだ。さらに複数のセキュリティ設定を統合するDell ControlVault、FIPS対応の指紋認証、非接触型スマートカードリーダー、シーゲイト製品によるHDDの暗号化などセキュリティ面も充実している。

左側にはUSBポート、IEEE1394ポート、8-in-1メモリカードリーダ、PCカードスロット、光学ドライブなどを配置

右側にはExpressCard 54スロット、ギガビット対応のLANポート、eSATA共用のUSBポート、DisplayPort、VGA端子などが用意されている

 もちろん、デルならではの幅広いBTOメニューも大きな魅力だ。ストレージに関しては、SSDとHDDを組み合わせて、RAID0/1/5として構成できる。ブートデバイスでSSD、2つのHDDでRAID0を構成したり、SSDとHDDを3台組み合わせてRAID5を構成するといったことも可能だ。OSは32ビットのWindowsはもちろん、64ビットWindows、Red Hat Enterprise Linuxも選択可能。「レガシーポートをサポートするポートレプリケータも用意していますし、OSやアプリケーションのインストールをすべてデル側で行なうサービスもあります」(堀内氏)とのことで高い拡張性を確保した。

 贅を尽くしたパーツ構成だけに、価格も最小構成で27万1950円と、ネットブックとはまったく異なる価格感覚。グラフィックボードやメモリなどフル構成で組むと、価格は60万円を超えるという。とはいえ、CPUも出たばかりで、SSDもまだまだ高価なので、今後価格がこなれてきた段階でより入手しやすくなりそうだ。

 不況により、メインの顧客である製造業の投資は冷え込んでいる状態だが、デルとしては3~4年前のデスクトップワークステーションをこうしたモバイル製品でリプレースしていく計画。現在はCADの顧客が圧倒的に多いが、今後はアニメやビデオ、オーディオ編集などDCC(Digital Contents Creation)の分野に注力していくという。

初出時、インターフェイスやポート構成を説明した文の一部が誤っていました。また、天板を茶色と表記しておりましたが、オレンジの誤りです。お詫びして、訂正させていただきます。本文は訂正済みです。(2009年4月30日)

■関連サイト

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ