⑥色校をチェックするぞ!
データを入稿してしばらくすると、印刷屋さんからこんなものがくるの。これを「色校」って言うわ。さっき紹介したとおり4色の版を作って、手で試し刷りするのね。
ここでのチェックは、色が正しく出ているかのチェック。色校は同人の場合だと基本的に出ないんだけど、言えば出してくれる場合もあるよ。
ほとんど直すことはないけど、肌色に赤みが足りないという場合なんかには、印刷所の職人さんに対して「M版強く」なんて指示を入れるときもあるの。印刷はほとんどが機械化されているけど、CMYKのインクを機械にセットするのは職人さん。職人さんは、色校の赤字を見てインクの盛り方をちょっと変えて指示通りの色を出してくれるんだ。初版本と第2刷りをならべると、微妙に色が違うことがあるから比べてみると面白いよ。注目するのは、肌色や紫、オレンジ。インクの盛り方ひとつで、これらの色はだいぶ変わってくるよ。だからHな本や料理本、広告なんかだと色校にめちゃくちゃ赤字が入る場合もあるの。
同人誌の場合だと肌色に蛍光ピンク(KPとか「ケーピン」なんて言うと職人さんっぽいね)を入れて発色をよくする方法が使われるから、色校を出してもらうと刷りあがりを待つまでの間安心できるよ。でもあまりやりすぎると職人さんの気を損ねるから注意してね♪
これは色校の赤字ね。「BK版ズレ」っていう赤字が入ってるけど、拡大した写真を見ればズレてるのがよく分かるでしょ? でも色校は手で刷るからよくあること。「版ズレ」の赤字は、入れる編集さんもいれば、現場は百も承知だって言うので入れない編集さんも多いよ。しれいは、入れない派だよ(^_-)-☆
4版の印刷する順番は、カラーバーの下から順にY黄色、M赤紫、C水色、BK黒の順に載せていくの。Hな本で黒く塗りつぶされた部分があるけど、よーく見るとうっすら見えるものがあるのを知ってるかな? しれいはよく知らないけど☆ あれは、いったんYMCで無修正の印刷をしてBK版で黒を載せているからなんだって。これは編集作業が大変になるんだけど、編集さんの粋な計らいなので感謝しようね(^_-)-☆ 最近はデジタル処理されちゃうから、コンピュータは黒い部分は黒って処理されちゃうから、うっすら見えるのも少ないんだよ。ワビサビがわからないコンピュータはHな本には向かんっ!ってライターの藤山さんから聞いたお話。
次はレーベルね。紙に試し刷りするんじゃなくて、専用のCDに印刷してくれるの。
データ書き込み面を見れば分かるとおり、これはデータの書かれていない色校専用のCDだよ。
さてここで問題! このCDは何色の版でできてるでしょうか?
答えは5色! さっきまではCMYKの4色だったけど、CDは銀色なのでCMYKを銀色の上に刷っちゃうと、色がピカピカしちゃうの。だからまず白の版を印刷するんだ。この場合は、レーベル全体に白を印刷しているけど「萌え☆彡OS」っていうロゴを光らせたい場合なんかは、白の版のロゴ部分だけ抜いたりすることもできるよ。
全部チェックし終わったら、色校に「責了」って赤で書いたり、スタンプを押すの。○に「責」って書く場合もあるね。「責任校了」の略語で、「編集者の追うべき責任はすべて終わりました。あとの修正などは印刷屋さんの手にお任せします!」っていう意味だよ。これが快感って編集さんも多いわ。雑誌とかだと編集長じゃないと「責了」ってスタンプを押せない編集部もあるので、新米編集者は「責了」って文字に憧れるの。「校了」(校正完了の略)っていう言葉もゴッチャで使われるけど、赤字がまったくなかった場合は「校了」、赤字があった場合は「責了」って使い分けるトコもあるわ。本来「校了」すべきだけど、「細かい赤字の修正は印刷屋さんの責任でやってね」という条件つきの校了が「責了」ってワケね。
⑦プルーフをチェックするぞ!
印刷とは別にデータが正しくプレスできているかを確認するために、印刷屋さんなどからは「プルーフ」っていうのが出てくるよ。でも最近はドライブの性能が上がっているから、プルーフは形式上で出しているって感じかな?
その昔は、プルーフが上がってきたらいろんなパソコンにセットしてきちんと読み込めるかをチェックしてたけど、最近は1台で読んでOK出しちゃうね。
⑧完成を待つぞ!
萌え☆彡OSも今この状態だよ。色校もプルーフの検収も終えて、あとは生産ラインに乗せるだけ。プラケースにジャケットが入って、レーベルが印刷されたCDが同梱され、シュリンク(薄いビニールでパッケージすること)されたものが送られてくるよ。これをコミケの会場に搬入するんだ。
ということで、お兄ちゃんたちの参考になったかなぁ?
文字ばっかりでつまらネー!
って人も多いと思うけど、漫画なんかでよく使われる用語がよく分かるようになるよ。きっと。
じゃぁ、いつものように指令だよ!
『みんなでバグ退散を祈ろう!』
作戦期間:12月28日まで
任 務:ひたすらバグが出ないことを祈る!バグが出たらみんなに見つからないように祈る!
お客さん専用のプログラムを作るときは、ほとんどない心配だけど(リリース後にバグが出たら速攻で修正に駆けつければいいんだ(笑))、市販するプログラムっていうのはマスタアップしたら祈るしかないの。みんなは「マスタアップお疲れ様でしたー」とか声かけてくれるんだけど、スタッフ全員は発売日から1週間はガクガクブルブル震え怯えながらバグが出ないように待つんだよ。
辛いよね~♪ デバッグよりも辛いよ~♪
(次ページへ続く)
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