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大画面テレビ&BD時代のサラウンド入門 第1回

超お手軽!? イマドキのサラウンドシステムとは?

2009年11月27日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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進化するサラウンド環境

5.1chのスピーカー配置イメージ。このほかにサブウーファーが加わる

5.1chのスピーカー配置イメージ。このほかにサブウーファーが加わる

 サラウンドは主として、効果音やBGM、台詞を適切に出力することに加え、残響や反響音などを再現することで臨場感を高めることを目的としている。ホームシアター環境では、通常複数のスピーカーを使ってサラウンドを実現する。このとき、基本となるのが5本のスピーカーと1台のサブウーファーを使った「5.1ch」と呼ばれる構成である。

 5本のスピーカーは、フロント、センター、リア(サラウンド)とそれぞれ名称が与えられている。フロントは視聴者の前方左右に配置するスピーカーで、効果音やBGMを主に出力する。センターは文字どおり視聴者の真正面に設置する。こちらは俳優がしゃべる台詞の出力がメインの役割になる。リアスピーカーは視聴者の左右、あるいは斜め後方に配置する。背後や頭上から迫り来る音、あるいは反響音などを出力するスピーカーだ。そして超低音域を補うサブウーファーを加え、迫力を生み出す。このようにそれぞれ役割を持ったスピーカーを視聴者を取り囲むように配置することで、まるで音に包まれるかのような感覚を得られるわけだ。

左から6.1ch、7.1ch、9.1chのスピーカー配置イメージ。9.1chともなるとリビングで楽しむ、というわけにはいかないだろう

 この5.1chを基本として、さらに多くのスピーカーを設置してサラウンド感を高めるための規格も存在する。真後ろからの音を出力するリアセンター(サラウンドバック)スピーカーを加えた「6.1ch」や、リアスピーカーを真横に2本、斜め後方に2本設置する「7.1ch」など。また独自仕様ではあるが、リアスピーカーを横、斜め後方、後方のそれぞれの位置の左右に設置する「9.1ch」や、さらに横方向だけでなく、縦方向にスピーカーを増やし、頭の上から聞こえてくる音を再現する「Dolby Pro Logic IIz」といった規格も存在する。これは前方上部の左右にそれぞれスピーカーを設置するというものだ。

「Dolby Pro Logic IIz」ではフロント上方にスピーカーを配置する(ドルビー視聴室にて)

「Dolby Pro Logic IIz」ではフロント上方にスピーカーを配置する(ドルビー視聴室にて)

 ただ、こうしたマルチチャンネル環境を構成する上で、大きな問題となるのがリアスピーカーの設置である。そもそも視聴位置の横、あるいは後方にスピーカーを置く場所がなかったり、スピーカーケーブルの配線が難しいというケースだ。

 そこで期待されているのが前方にしかスピーカーがないにも関わらず、あたかも横や後方からも音が聞こえてくるように感じさせる「バーチャルサラウンド」である。これは人間の聴覚の特性を利用し、人間に錯覚を起こさせることでサラウンドを実現するというもの。以前と比べるとはるかに高いサラウンド感を得られるようになっており、テレビの周囲にスペースがあれば設置できる気軽さと相まって人気を集めている。

ヤマハのフロントサラウンドシステム「YHT-S400」(実売価格6万円前後)。バーチャルサラウンドによりスピーカーユニットをフロントに1つ置くだけでいい

ヤマハのフロントサラウンドシステム「YHT-S400」(実売価格6万円前後)。バーチャルサラウンドによりスピーカーユニットをフロントに1つ置くだけでいい


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