シャープは国内3キャリアに提供する冬春モデルに関する発表会を開催。その中で、来年前半の段階でのAndroid端末投入を示唆した。
市場の縮小は止まったが
ミドルレンジが中心となっている端末市場
壇上に上がったシャープ執行役員 通信システム事業本部長 大畠昌巳氏は携帯電話端末全体の市況について、2009年度上期は2008年度ほどの大きな落ち込みは無かったものの、前年比若干の減少となっていることを踏まえた上で、2010年度以降の緩やかな回復を予測した。
一方でボリュームゾーンに変化が現れ、従来はハイエンド端末に集中していた人気が、ミドルレンジのモデルが中心となっていることにも注目する。一方で必要な機能については進化が続いているともする。その代表格がカメラ機能。
そこでシャープは「AQUOS SHOT」に代表されるハイレベルなカメラ機能を売りにした端末の投入により、2008年度は23.0%だった国内シェアを2009年上期は24.7%にまで伸ばした。
今後の動向としては、またスマートフォンの台頭についても言及。iPhoneのヒットによって世の中のスマートフォンへの認識が変わり、今後市場拡大する可能性を指摘した。
これらの動向から、シャープが今後取り組んでいく施策が「さらなる高機能化へのこだわり」「魅力あるミッドレンジ向け端末の開発」「Open OSを活用した新しい商品の創出」の3点。
Android端末のリリースはその3つめの取り組みの過程で生まれたものである。実際にどのようなスペックなのか、どのキャリアから発売されるかなど、詳細の発表はなかったが、リリース自体は来年前半を予定している。
しかし「日本のユーザー向けに当社独自のカスタマイズを行なう」「(カスタマイズの内容は)たとえばFeliCaの搭載やキャリア独自のサービスへの対応」「OSにAndroidを選んだのはキャリアとの話し合いによって」などヒントとなる発言内容も飛び出した。
HTCの「HT-03A」や、ソニー・エリクソンの「XPERIA X10」など、グローバルモデルの国内投入という形でリリースされてきたAndroid端末だが、日本で開発された日本のユーザー向けのAndroid端末リリースということで、その動向が注目される。