長時間モードの画質を検証する!
気になるのは最長時間(高圧縮)録画モードの画質だ。そこで各機種の録画映像をチェックしてみた。素材はビルの外観を映したカットで、カメラがゆっくりと動いている。長時間モードでもノイズや映像の破綻が出そうにない映像なので、ここで問題が出るようではお話にならない。
結果から言えば、いずれもまったく問題なし。思った以上に解像感の低下がなく、DRモードで録ったと言われてもほとんど気にならない。では、それぞれの映像の印象に触れていこう。
パナソニックは、ほんのわずかだがやや細部が甘くなったように感じ、ノイズはほとんど気にならない。ビルに映った陽の光の反射による微妙な色の変化もしっかりと描き分けている。
ソニーもほぼ同レベルだが、暗部の階調が良好でビルの細かい模様の部分がわずかながら鮮明に感じられた。その分、カメラが動いたときに輪郭の周辺にチラチラとしてノイズが少し出ている。
パナとソニーはどちらも8倍モードだが、三菱だけは5.5倍モードとなるので、細部のディテールを含め、もっともDRモードに近い。当然と言えば当然の結果だが、精細感やノイズの少なさではもっとも優秀だ。逆に言えば、5.5倍モードと比べて明白な差がほとんど感じられないパナソニックとソニーの8倍モードがかなり優秀ということだ。
そのほかの映像の印象はというと、スポーツ番組など、厳しい映像になるとパナソニックは解像感をやや抑え、その分だけノイズの発生を抑えているように見える。若干の劣化感はあるが見やすい映像だ。
ソニーは、スポーツでは動き重視で解像度を抑え、アニメでは輪郭のギザギザ感を抑えるなど、番組の映像によってエンコードの設定を変えることでさまざまな映像に幅広く対応する。パナソニックと比較して圧倒的な差があるわけではないが、スポーツ番組に限れば、比較的精細感の高い映像となるソニーが有利だと感じた。どちらも十分に視聴に耐える。ドラマなどソースを選べば、BD保存用としても十分に実用になる。
三菱はスポーツ番組でやや解像感の劣化があり、音楽番組での激しいライトの明滅などでややノイズが目立つが、これも許容範囲。地デジ番組では、もともとスポーツや音楽番組ではノイズが出てしまうので、仕方のない部分もある。
画質的にもっとも優れているのは確かだが、8倍と5.5倍の差を考えると、もう少し明らかな差があってもいいと思う。
これは、エンコーダーの世代が三菱だけ1世代古いものだということも関係があるだろう。最新エンコーダーを使用したパナソニックとソニーの実力には恐れ入る。5倍、3倍に相当するモードならば、ほとんど劣化を感じさせない録画ができる。視聴だけなら8倍、BD保存用なら5倍、3倍あたりで十分使えるだろう。
簡単に各モデルのDRモード録画による画質傾向も触れておく。パナソニックは色の乗りが豊かな映像で、肌の色なども健康的。ただ、上位モデルの驚くような精細感の高さは感じられず、ノイズの少ない見やすさを重視した映像になっている。
ソニーは階調感の滑らかさが優秀で、アニメを見ていても色の境目が等高線のように見えるマッハバンドは一番少ない。色の発色も不足はないが、どちらかといえば明暗のコントラストを重視したくっきりとした映像だ。
三菱は精細感の高さでは最優秀である。ただし、ディテールのチラチラとしたノイズが一番目立ったのも三菱だ。やや明るめの画質で、精細感やくっきり感を重視した映像と言える。
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