ポケットプロジェクター「OPTOMA PK102」
ポケットから取り出して即プレゼンの極小プロジェクター
2009年10月19日 06時00分更新
ポケットプロジェクターの正しい(?)使い方
実際に静止画データを表示してみると、ハーフVGAの表示素子ながら、ちょっとした図表程度は十分に“読める”。これならプレゼンテーションなどに使うデータプロジェクター代わりにも使えそうだ。もちろん実解像度が480×320ドットなので小さな字は潰れてしまうが、図版作成時にやや文字を大きくすればほとんど問題ない。同様にビデオ入力を見てみても、映画の字幕やニュースのキャプションは十分読めて、楽しめる。
とはいえ、やはり10ルーメンという光源の明るさはやや物足りない。映写するサイズを大きくするほど画面は暗くなるので、50インチクラスの画面サイズで映写しようとすれば、周囲を映画館なみに暗くする必要がある。照明のある屋内ではA4~A3サイズ程度、外光が入ってくる屋内の窓際ではA5~A4サイズと、かなり小さい画面で映写したほうがいいだろう。今回は投射スクリーンを使わず白い紙(インクジェット用光沢紙)を用いての感想だが、さらに反射の少ない白い壁を使う場合は、一層明るさに不満を感じるので、書類入れにはスクリーン代わりの光沢紙を1枚持ち歩くことをお勧めする。
もちろん、さらに見映えするのはプロジェクタースクリーンであり、OPTOMAのオプション「ノートスクリーン」などとの組み合わせがベストだ。本体がA5サイズの折り畳み式スクリーンで、高反射素材のスクリーン面(ほぼ2Lサイズ)に映写するとかなり明るく写り、明るい照明の室内でも視認性が極めて高くなる。
スクリーンでの映写は十分明るいが、撮影時のフラッシュの下では、周辺と同様に見えるわけではないので、画像では露出を変えて撮影した投影画面を合成している
A5サイズなので、映写するとまるでノートPC(ネットブック)の画面を見ているような感じだが、A4サイズなど小さく携帯に便利なスクリーンも販売されているので、用途に応じたものをOPTOMAと一緒に携行したい。
この“ノートパソコンの画面のような”見せ方はポケットプロジェクターの基本的なスタイルになるだろう。同種のLED光源タイプのポケットプロジェクターは数社から発売されており、LCOS素子の高画質・低価格化などによって今後も増えてきそうだ。現行モデルでも解像度やインターフェースなどの差異はあるものの、ほとんどが輝度10ルーメンとOPTOMAと同程度な明るさのため、見せ方(使い方)自体は似通ってくる。
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ビジネスのプレゼンテーションシーンでは物足りないサイズではあるが、ノートPC 1台よりもはるかに軽量。事前に用意した画像やドキュメントを見せるにしても、携帯電話やデジカメと接続して写真やビデオを見せるにしても、すべての機材がポケットに収まってしまうので、従来のプレゼンテーションとは一味違う軽快さが得られる。なによりポケットから取り出して数秒後には画面を出せるという素早さは、どんなプロジェクターやノートPCにもかなわない芸当だ。
ポケットプロジェクターに対するネットなどでの現在の反響は“ちょっとしたデジタルガジェット”といった程度ではあるが、目新しさに加えて軽快な使い勝手は確実に注目を集める。まず“注目を集める”ことこそがプレゼンテーションにおいて重要な要素であることを考えれば、ビジネスツールとしても一度試してみる価値のある製品ではないだろうか。
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